世論は犬と同様,世論を怖がっている人によりきつくあたる(吠え立てる)

angry_dog 世論は、世論に無頓着な人びとに対してよりも、あきらかに世論を恐れている人びとに対し、つねによりいっそう圧政的になる。人間がを見下してあしらうときよりも、人間がを怖がっているときのほうが、はよりいっそう人間に対し声高に吠え、いっそう咬みつきやすいだろう。’人間集団(群衆)’にも、多少これと同じ特徴がある。
出典:ラッセル『幸福論』第9章「世論に対する恐れ」
詳細情報:https://russell-j.com/beginner/HA19-030.HTM

gandhi_tatoe-mudadato-omottemoPublic opinion is always more tyrannical towards those who obviously fear it than towards those who feel indifferent to it. A dog will bark more loudly and bite more readily when people are afraid of him than when they treat him with contempt, and the human herd has something of this same characteristic.

[寸言]
「世論が圧政的になる」というのは,もちろん,世論という「一つの」具体的な実体があるわけではなく,多くの人々が同じ意見だろうということで,その雰囲気を感じ取ったマスコミが,「世論」が支持すると思われるやり方で,憎むべき特定の個人(やグループ)をたたくということだと思われます。
しかし,相手が,世論を無視できる権力者で、開き直れる人(例:安倍,麻生,石原慎太郎,その他)であれば,叩いても効果がない(あるいは仕返しがこわい)ということで,マスコミも真正面から指弾することは少ない。(国家の番犬/権力者の犬と呼ばれる御用評論家のみなさんの行動パターンです。)