「協力」する際の3種類の動機 -愛,恐怖心,強欲(不正利得に対する)

abe_susitomo01 人と協力するには三つの理由がある。一つは相手を愛するからであり,一つは相手を恐れるからであり,もう一つは不正な利得にあずかりたいと望むからである。これらの三つの動機は,人間の協力が必要なそれぞれの領域において,それぞれ異った重要性を持つ。第一の動機は’生殖’を支配し,第三の動機は’政治’を支配する。

(Now) there are three reasons for which you may co-operate with a man: because you love him, because you fear him, or because you hope to share the swag. These three motives are of differing importance in different regions of human co-operation: the first governs procreation, and the third governs politics.
出典:Mortals and Others; Bertrand Russell’s American Essays, v.1
詳細情報:https://russell-j.com/COWARD.HTM

<寸言>
自分を反省してみて,権力や権限をもっている人に対し,どのような態度で応対(「協力!」)することが多いでしょうか?
ラッセルがあげた3種類の「協力の動機」なかでは,第一番目の理由が望ましいわけですが,勤め人(経済人)であれば,そうでない場合も少なくありません。
abe_20160926-yorokobigumi 特に政治の世界では第三の理由で(不正な利得にあやかるために)「協力」する場合も少ないとはいえないですが,今日の日本では,第二の理由で(主流派で権力を持っている者を恐れるために)「協力」する場合がかなりあるように思われます。