夫婦で毎年(約15年間)イタリア旅行をした(できた)という優雅な暮らし

Italy-Map 私たち(ラッセルと妻アリス)は,2年続けて,ヴェニス(Venezia ベネチア)でを過ごした。そうして私は,ヴェニスの隅から隅まで知り尽くした(道路の敷石という敷石のほとんど全てを知りつくすほどになった)。初婚(1894年12月)の日から第一次世界大戦の勃発にいたるまでの間,イタリアに行かなかった年はなかったように思う。時には徒歩で,時には自転車で旅行した。一度はヴェニスからゼノア(Genova ジェノヴァ)までの全ての小さな港に寄港する不定期貨物船で旅行した。私は特に,より小さくまたより辺鄙なところにある町やイタリア半島を縦断するアペニン山脈の山並み(眺望)を愛した。第一次大戦勃発後は,1949年まで,私はイタリアに戻らなかった。
(下の写真は,ラッセルが訪れたイタリアのフィゾーレここで有名な, A Free Man’s Worship を執筆した。)

FiesoleWe spent two successive autumns in Venice, and I got to know almost every stone in the place. From the date of my first marriage down to the outbreak of the first war, I do not think any year passed without my going to Italy. Sometimes I went on foot, sometimes on a bicycle; once in a tramp steamer calling at every little port from Venice to Genoa. I loved especially the smaller and more out-of-the-way towns, and the mountain landscapes in the Apennines. After the outbreak of the war, I did not go back to Italy till 1949.
出典: The Autobiography of Bertrand Russell, v.1, chap. 5: First marriage, 1967]
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/AB15-190.HTM

[寸言]
「初婚(1894年)の日から第一次世界大戦の勃発にいたるまでイタリアに行かなかった年はなかった」(注:ただし夫婦で行ったのは別居にいたる1911年秋まで?)なんて、「優雅」でうらやましい限り。・・・。