’協力の美徳’ = 服従の美徳’!? / 反抗的だ! = 非協力的だ!

VIRTUE 今日では、民主主義の影響の下、’協力の美徳’が’服従の美徳’が以前確保していた場所を代わりに占めている。昔流儀の男性教師ならば、少年に対し’あなたは反抗的だ(素直でない)’と言うだろうが、現代の女性教師(注:1930年当時)なら、幼い生徒に対し’あなたは非協力的だ‘と言うだろう。両者は同じことを意味している

In these days, under the influence of democracy, the virtue of co-operation has taken the place formerly held by obedience. The old-fashioned schoolmaster would say of a boy that he was disobedient; the modern schoolmistress says of an infant that he is non-co-operative. It means the same thing:
出典:Of co-operation, May 18,  1932.   In: Mortals and Others,  v. 1(1975)
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[寸言]
 民主主義の名を借りた横暴。多数決(単純な過半数)で決めてよいことと,よくないことがある。全体の4/5が賛成すれば1/5を搾取する体制をつくってよいということにはならない。麻生元首相が(ヒトラーのやり口をまねるとよいと)いみじくも言ったように,ヒトラーが政権をとったのも,多数決という民主主義的な手続きをとったものであり,国民(が選んだ代議士)が選んだものである。今の日本の国会も同様の状況にある。

「国民大衆は,小さな嘘よりも,大きな嘘の犠牲に容易になるものである。」(出典:ヒトラー『わが闘争』

 多数決の原理は,あくまでも少数意見を尊重することにある。ポーズだけ,意見を聞いたことにして,多数の原理でどんどん決めていけば,いずれ国民も後悔する時がくるであろう。

教育においても,同じこと。生徒が. 多様な意見を持つことは奨励されるべきことであるが,現実には「協力の美徳」が強調されすぎるきらいがないか? できるだけ効率的に,「国民として」必要な知識や技術を詰め込もうとしようとすれば・・・。