ChatGPT との対話:”a number of”の訳仕分け

★ ChatGPT への質問
 「a number of」と言う」句は、「いくつかの」と訳したほうが良い場合と、「多数の」と訳した場合があります。どちらの意味で訳すのがよいかは文脈によるという答えが一般的だろうと思います。
「いくつかの」と訳したほうがよい場合は、比較的すぐにわかりますが、「多くの」と訳したほうがよい場合は判断に困る場合が少なくありません。翻訳ソフトも誤訳する場合が少なくありません。そこで、文脈以外に、何か他に、こういう場合は「多数の」と訳したほうがよいという一般的な判断基準はあるでしょうか?
 以下は、バートランド・ラッセル(Bertrand Russell)の「Outline of Intellectual Rubbish (1943年発表)」に出てくる英文と、DeepL、Google 翻訳、みんなの自動翻訳による日本語訳(合計3種類)です。このなかにでてくる「a number of」と言う句は「いくつかの」と訳すべきか、それとも「多数の」と訳すべきでしょうか?
DeepLはこの句を無視して訳出していません。
Google 翻訳は「いくつかの」と訳しています。
みんなの自動翻訳では「たくさん」(多くの)と訳出しています。
三者三様でみな訳が異なっています。「いくつかの」と「たくさん」では意味が違いすぎます!
ChatGPT ならどう訳すでしょうか? またそのように訳す理由を教えてください。
それから、この例だけではなく、訳し方の一般的な判断基準としてどのようなものがあるでしょうか?


<ラッセルの英文>

In the economic sphere there are many widespread superstitions. Why do people value gold and precious stones? Not simply because of their rarity: there are a number of elements called “rare earths” which are much rarer than gold, but no one will give a penny for them except a few men of science.
<<DeepLによる日本語訳>>

経 済分野では、多くの迷信が広まっています。なぜ人々は金や宝石を大切にするのだろうか。金よりはるかに希少な「レアアース」という元素があるが、一部の科学者を除いては1円も出さないだろう。
<<Google 翻訳による日本語訳>>
経済界では、多くの迷信が広まっています。 人々はなぜ金や貴石を大切にするのでしょうか。 単にその希少性のためではありません。金よりもはるかに希少な「希土類」と呼ばれる元素がいくつかありますが、数人の科学者を除いて、誰もそれらにペニーを与えません。
<<みんなの自動翻訳による日本語訳>>
経済の世界には、広く行き渡った迷信がたくさんあります。なぜ人々は金や宝石を大切にするのですか?単にその希少性のためだけではありません。金よりもはるかに希少な「レアアース」と呼ばれる元素がたくさんありますが、少数の科学者を除いて誰もそれらに1ペニーも与えません。

★ ChatGPT からの回答
「a number of」は、文脈によって「いくつかの」と訳したほうが良い場合と、「多数の」と訳したほうが良い場合があります。しかし、この場合は「いくつかの」と訳すべきです。なぜなら、この文脈では「rare earths」が金よりも希少であり、しかし、それらに価値がないことを示しています。つまり、金と宝石が高く評価されているのは、単に希少性だけではなく、他の要因が関係していることを示しています。この場合、「a number of」は「いくつかの」と訳され、それは希少な元素がいくつかあることを示しています。
訳し方の一般的な判断基準としては、文脈が重要であることを覚えておくことが重要です。また、語彙や文法に関する知識を持っていることも必要です。さらに、ターゲットオーディエンスや目的に応じて訳し方を調整する必要があることも忘れないでください。

★ ChatGPT への質問2
 私もこの場合は「いくつかの」と訳したほうがよいように思われますが、「多くの」と訳しても間違いではないと思います。
 希少元素(レア・メタルなど)は、それぞれの量は少ないですが、レアメタルの種類は、一般的に言って30種類以上(リチウム、ベリリウム、ホウ素を始め31種類)あります。
ラッセルはここでは量のことを言っているのではなく、そういった元素の種類のことをいっています。そうであれば、「かなりの」とか「多くの」という表現のほうが、ラッセルの気持ちにあっているように思われます。そうでないと主張されるのであれば、その根拠を教えてください。
また、「a number of」を「かなりの」や「多くの」と訳したほうがよいのはどういう場合でしょうか? 文脈以外の理由を説明してください。具体例をあげての説明でもけっこうです。

★ ChatGPT からの回答2
この場合、「a number of」を「かなりの」と訳すか、「多くの」と訳すかは文脈によって異なります。「a number of」は、数量を明確に表現しない表現であり、文脈によって異なる意味を持ちます。たとえば、「I have a number of books」という文では、「私は本をかなり持っています」と訳すことができます。一方で、「There were a number of people at the party」という文では、「パーティーには多くの人がいました」と訳すことができます。
 文脈によって適切な訳語を選択することが重要です。たとえば、「かなりの」は、数量が多いことを表す場合に使われますが、ある場合には「多くの」よりも少ない数量を表現する場合があります。「多くの」は、数量が多いことを表す場合に使われますが、ある場合には、「a number of」よりも少ない数量を表現する場合があります
このような場合、文脈を考慮し、適切な訳語を選択する必要があります。文脈によっては、「いくつかの」と訳すことも適切な場合があります。最終的な訳語は、その文の意図を最も正確に表現するものでなければなりません。

★ ChatGPT への質問3
 希少元素(レア・アース)は、「量」が少ないから貴重だということであって、そういったものの「種類」が多いとしても、ラッセルの主張と矛盾しません。
ChatGPT が評価する DeepL は判断が付かないと思ったのか、「a number of」を訳出していません。
Wikepedia によると、レア・アース(希土類)は、31種類あるレア・メタルの一種で」、17種類あるそうです。17種類は「いくつかの」でしょうか、それとも「多くの」あるいは「かなりの数の」でしょうか?
 「いくつかの」というと2,3種類、多くても10種類以下のように思えてしまいますが」・・・?

★ ChatGPT からの回答3
「いくつかの」の表現には具体的な数を指定するわけではなく、多少の曖昧さが含まれています。一般的には、「いくつかの」は2~5個程度のものを指すことが多いですが、状況によっては10個程度まで含むこともあります。一方、「多くの」は、多数を意味する表現で、具体的な数を指定するわけではありませんが、一般的には「数十個以上」というニュアンスが含まれることが多いです。したがって、レア・アースの17種類について「いくつかの」と表現することもできますが、「多くの」と表現することもできます。ただし、どちらの表現を使っても、原文の意図を正確に伝えることができます。//
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知的戯言の概要(1943) n.29

Amazon | The Proletarian Revolution and the Renegade Kautsky (English  Edition) [Kindle edition] by Lenin, Vladimir, Anonymous | Ecology |  Kindleストア ロシアでは ー カール・マルクスの影響のもと、ロシア革命以降、人々(ロシア人民)はその経済上の出自によって(階級別に)分類されてきたが- スカンジナビアの北欧諸国をめぐって、ドイツの人種理論家の場合と似たような(not unlike 似ていなくもない)困難が生じている。和解させなければならない二つの理論(説)が存在していた。一つは、プロレタリアは善良でありそれ以外の人々は邪悪であるという理論(説)であった。もう一方は、共産主義者は善良でありそれ以外の人々は邪悪であるという理論(説)であった。和解をもたらす唯一の方法は語の意味を変えることであった。(そうして) 「プロレタリア」は政府の支持者を意味することになった。レーニンは、(精神的な?)プリンス(a Prince)であったが(注:レーニンの父親は下層階級の出身であったが努力して中流階級に這い上がったとのことなので、なぜラッセルが「(レーニンは)プリンスとして生まれた」と形容しているのか不明)、プロレタリアートの一員であるとみなされた。他方、「クラーク(kulak)」は裕福な百姓(富農)を意味すると考えられていたが、 集団化(collectivization 集団農場化;国有主義を基礎とした経済)に反対する全ての民を意味することになった。この種の馬鹿馬鹿しさは、一つの人間集団 が、生まれつき他の人間集団よりもすぐれていると仮定(想定)されるときにはいつもおこることである。 米国においては、著名な有色人が無事に(?)死んだ後で彼に捧げられる最高の称賛(褒め言葉)は「彼は白人であった」である。勇敢な女性は「男性的な(masculine)」と呼ばれる。(シェークスピア劇の主人公の)マクベスは彼の妻の勇気をほめた後で次のように言う。

男の子ばかりを産むがよいぞ、
お前の不敵な気性では男より外のものは
こさえられない。

『マクベス』第一幕第七場(野上豊一郎訳を借用)>
全てこうした言い方は、(わずかな例から)愚かな一般化を放棄したがらないことから出てくるのである。

Outline of Intellectual Rubbish (1943), n.29
In Russia, where, under the influence of Karl Marx, people since the revolution have been classified by their economic origin, difficulties have arisen not unlike those of German race theorists over the Scandinavian Nordics. There were two theories that had to be reconciled: on the one hand, proletarians were good and other people were bad; on the other hand, communists were good and other people were bad. The only way of effecting a reconciliation was to alter the meaning of words. A “proletarian” came to mean a supporter of the government; Lenin, though born a Prince, was reckoned a member of the proletariat. On the other hand, the word “kulak,” which was supposed to mean a rich peasant, came to mean any peasant who opposed collectivization. This sort of absurdity always arises when one group of human beings is supposed to be inherently better than another. In America, the highest praise that can be bestowed on an eminent colored man after he is safely dead is to say “he was a white man.” A courageous woman is called “masculine”: Macbeth, praising his wife’s courage, says:
Bring forth men children only, For thy undaunted mettle should compose Nothing but males.
All these ways of speaking come of unwillingness to abandon foolish generalizations.
Source: Bertrand Russell : An Outline of Intellectual Rubbish, 1943
Reprinted in: Unpopular Essays, 1950, chapter 7:
More info.: http://www.ditext.com/russell/rubbish.html
https://russell-j.com/cool/UE_07-290.HTM

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