しかし,こういう男性(注:臆病な女性を好む男性)の息子たちは,母親から恐怖心 を受け継ぎ, --もしも,父親が母親を(臆病なものと)見くびりたいと望まなければ,決して失う必要がなかった-- 勇気を取り戻すために,あとから訓練を受けなければならなくなってしまった。女性を従属的な地位に置くことでなされた害悪は,はかり知れない。こうした恐怖の問題は,その害悪のありがちな一例を提供しているにすぎない。
But the sons of these men have acquired the terrors from their mothers, and have had to be afterwards trained to regain a courage which they need never have lost if their fathers had not desired to despise their mothers. The harm that has been done by the subjection of women is incalculable; this matter of fear affords only one incidental illustration.
出典: On Education, especially in early childhood, 1926, chap. 2: The Aims of Education
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE02-120.HTM
[寸言] How-to-Meet-and-Date-a-Shy-Girl.jpg
手痛いしっぺ返し。
か弱い女性を保護したいという優越感がまわりまわって自分の息子に気の弱さや恐怖心を植え付け・・・。
母親も謂れ無き(不合理・非合理な)恐怖心を持つべきでなく、女性にも勇気が必要だというラッセルの主張。
「女は弱しされど母は強し」(Les Miserable ビクトル・ユーゴー)という名言を引いて、だから大丈夫だと言っているあなた、甘すぎませんか?