第一次世界大戦の時、「非国民」となり入獄したラッセル

BRAINS-B だが私は,第一次世界大戦が勃発した時のことをはっきり覚えている。その時の世間の人の気分(心理状態)は,まさにひどい霧に見舞われた時と同じであり,おたがい浮かれ騒ぎ,はしゃぎ合う気分(心理状態)であった。大戦勃発直後の何日かは,せまり来る恐怖を予想して悲しんだ人はほとんどいなかった。気楽な自信が,戦争関係国全てにおいて,時代の風潮であった。

But I do remember the beginning of the Great War, and everybody’s mood then was almost exactly what it is in a bad fog – one of hilarious and excited friendliness. In the first days there were very few who were saddened by the prospect of horrors to come. Light-hearted confidence was the order of the day in all the countries concerned.
* hilarious (形):大変陽気な;浮かれ騒ぐ/order of the day 当時の風潮(流行)
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[寸言}
第一次世界大戦直前まで,ラッセルの反戦運動に対しケンブリッジ大学(トリニティ・コレッジ)の関係者の多くはラッセルらの反戦署名運動理解をしめし,協力していました。しかし,戦争が始まるやいなや,一夜にして主戦論一色になってしまいました。(そして、「非国民」ということで、約5ケ月間、ロンドンのブリクストン刑務所に入れられてしまいました。
ところが,戦争による犠牲者が膨大な数になるにつれて,厭戦気分が広がり,ついには終戦となりましたが,(世界であわせて)数千万人の犠牲者が出てしまいました。
戦争指導者は後ろ(銃後)から命令を出しているだけであり,最前線の兵隊として戦う必要がないため,勇ましいことを言っていられます。