「井の中の蛙」状態を治してくれる非個人的な興味

andromed universe_earth_human-beings 非個人的な興味(私心のない興味)は全て、気晴らしとして重要であることはさておき、他にも様々な効用がある。まず第一に、こういう興味は、バランス感覚を保持することの手助けとなる。私たちは、自分たちの職業や、自分たちの仲間社会、自分たちの仕事の種類に非常にたやすく没頭するために、それらが人間活動全体の中のいかに小さな部分でしかないか、また、私たちの活動によって、世界中のいかに多くのものがまったく影響されないかということを、忘れてしまう。

All impersonal interests, apart from their importance as relaxation, have various other uses. To begin with, they help a man to retain his sense of proportion. It is very easy to become so absorbed in our own pursuits, our own circle, our own type of work, that we forget how small a part this is of the total of human activity and how many things in the world are entirely unaffected by what we do.
出典: The Conquest of Happiness, 1930, chap. 15: Impersonal Interests]
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA26-020.HTM

<寸言>
人間はどうしても「」(現在/現代等)と「ここ」(日常的空間/自国等)にしばられがちである。それとは対極的に,現代物理学(や宇宙論)を少し知るだけで、個々の人間やこの地球が広大な宇宙(空間及び生成の歴史)からみるといかにちっぽけなものであるか、誰にでも実感できる。
しかし、そのことを多くの人が頭で理解していても、すぐに個人や自分の家族や自国などの狭量な視野にとらわれて短期的な利益を重視し、長期的にみれば不幸を招くことが少なくないことをやってしまう。短期的利益を求める国の政策(トランプが今やっていることも)も同様である。その最たるものは戦争(特に世界大戦)であるが、戦後50年(現在は70年以上経過)もたてば忘れてしまう。
災害は忘れた頃にやってくるのことわざがあるように・・・。

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