<しばらく小難しい議論が続きます。わかりにくいとことは飛ばしてください。>
(続き) (2) この議論(論証の強さ(力)は主に誤まった陳述形式に依存している,と私は考える。(即ち=その誤った陳述形式とは)「もしAとBがある一定の関係にあるならば、次のように言ってよいであろう。即ち、もしそれらがそのように関係づけられていないとすると、それら(A及びBの2つの項)は、現にあるものとは違ったもの(other than they are)になるであろうと認めなければならず、またその結果、それらが現にあるように関係づけられている存在にとって本質的な何らかのものがそれら(A及びB)自身の中になければならない」。 ところで(Now)、二つの項が現にある一定の関係を持つ場合、それがそのように関係づけられていないとしたら、あらゆる結果が後に続くことになるであろう(ensue 続く)。なぜなら、それらが”現に”(実際に)そのように関係づけられているとすると、そのように関係づけられていないという仮定は偽であり、しかも偽なる仮定からは、いかなる命題でも演繹しうるからである(注:一つでも偽の命題を認めると、あらゆる命題も演繹できるというのは論理学の常識です)。従って(thus こうして)上記の陳述形式は変更されなければならない(ということになる)。そこで次のように言ってよいだろう。「AとBとがある一定の関係を持つならば、そのような関係を持たないいかなるものも、A及びB以外のもの(AとBとは違ったもの)でなければならない、云々。」 しかしこれは、AとBとの関係のように関係づけられていないものは,AあるいはBとは数的に異なっていなければならないということを証明するのみである(注:質の違いについては何も言うことができない)。それは、内面的関係の公理(内面的関係説)を仮定しないかぎり、形容詞的規定の相違を証明しない(のである)。前述の議論は、レトリックな議論であるのみであり、悪しき循環論に陥ることなくその結論を証明することはできないのである。(循環論法に陥ってしまって証明不可能,ということ)
Chapter 5: Revolt into Pluralism, n.8 (2)
The force of this argument depends in the main, I think, upon a fallacious form of statement. ‘If A and B are related in a certain way’, it may be said, ‘you must admit that if they were not so related they would be other than they are, and that consequently there must be something in them which is essential to their being related as they are.’ Now if two terms are related in a certain way, it follows that, if they were not so related, every imaginable consequence would ensue. For, if they are so related, the hypothesis that they are not so related is false, and from a false hypothesis anything can be deduced. Thus the above form of statement must be altered. We may say: ‘If A and B are related in a certain way, then anything not so related must be other than A and B, hence, etc.’ But this only proves that what is not related as A and B are must be numerically diverse from A or B; it will not prove difference of adjectives, unless we assume the axiom of internal relations. Hence the argument has only a rhetorical force, and cannot prove its conclusion without a vicious circle.
Source: My Philosophical Development, chap. 5:1959.
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