由らしむべし知らしむべからず - 従順な国民づくり

G-Orwell_most-effective-way-to-destroy-people しかし,たとえば,ある特定の地域に住む人間やある金額を越える収入を稼ぐ人間は特別な長所を持っているといったような,政府当局が基本としている信念の大半は,これと同じはずである。正しく推論を行う方法を(生徒や学生に)教えると,これらの信念の基礎を掘り崩す恐れがあるため,民衆(国民)に正しく推論する方法を教えることは(為政者である政治家にとって)好ましくないのであろう。この種の信念が色褪せれば,人類の災厄は回避されるが,政治家は災厄を逃れることはできない。それゆえ,(政治家・統治者は)いかなる代償を払っても,我々(被統治者・被選挙民)を愚鈍な状態にしておかなければならないのである。

But so are most of the beliefs upon which governments are based, such as the peculiar merit of persons living in a certain area, or of persons whose income exceeds a certain sum. It would not do to teach people to reason correctly, since the result would be to undermine these beliefs. If these beliefs were to fade, mankind might escape disaster, but politicians could not. At all costs, therefore, we must be kept stupid.
出典:Bertrand Russell: On astrologers,Oct. 2, 1933. In: Mortals and Others, v.1 (1975)]
詳細情報:http://russell-j.com/ASTROLOG.HTM

<寸言>
由らしむべし知らしむべからず。
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国民は愚かで従順なほうが統治し易いので、自分たちに都合の悪い情報はできるだけ広まらないように務める。どうしても広まりそうであれば、それを打ち消す、あるいは緩和するための情報を,御用学者や御用マスコミを使ってばらまこうとする。そのための方法は,協力者に対する「助成金」や「賄賂」だけでなくポスト(官職の地位)や各種審議会や委員会の委員への指名、いろいろな権限の付与、叙位叙勲者の恣意的な選択、愛人の手配、その他、いろいろな手がある。