(幼い)子供を扱うのに適切な女性?

 女性は,性的に満たされていないと,完璧な母親になることも,幼い子供の完璧な先生(教師)になることも,きわめて難しい。精神分析医(精神分析学者)がなんと言おうと,親として本能は,性本能とは本質的に異なるものであり,性にとって適切な情緒が親としての本能(の領域)に侵入してくると,損なわれてしまう。
独身の女性の先生を雇う習慣(注:こういった慣例があるのは,若い人は賃金が安くてすむからか?)は,心理学的にはまったくまちがっている。(幼い)子供を扱うのに適切な女性は,子供に期待してはいけない(←子供に対して期待されるべきでない)満足を,自分のために求めることをしない本能の持ち主である。幸福な結婚をしている女性は,努力しなくてもこのタイプに属する。しかし,それ以外の女性の場合は,ほとんど不可能なまでの微妙な自制心が必要となるであろう。
もちろん,同じことが,同様の状況(環境)にある男性にもあてはまる。だが,そういう状況は,男性の場合はずっと少ない。それは,男性の親としての本能は通常あまり強くないからであり,また,男性が性的に飢えていることはめったにないからである(注:公娼などがある場合が少なくないため)。

It is very difficult for a woman to be a perfect mother, or a perfect teacher of young children, unless she is sexually satisfied. Whatever psycho-analysts may say, the parental instinct is essentially different from the sex instinct, and is damaged by the intrusion of emotions appropriate to sex. The habit of employing celibate female teachers is quite wrong psychologically. The right woman to deal with children is a woman whose instinct is not seeking from them satisfactions for herself which they ought not to be expected to provide. A woman who is happily married will belong to this type without effort ; but any other woman will need an almost impossible subtlety of self-control. Of course, the same thing applies to men in the same circumstances, but the circumstances are far less frequent with men, both because their parental instincts are usually not very strong, and because they are seldom sexually starved.
出典: On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 2:Education of character, chap. 11: Affection and Sympathy
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE11-070.HTM

<寸言>
もちろん個人差はありますが、一般的に言えば、独身の女性を幼い子供の教師に雇うのは「心理学的見地からは」好ましいとは言えないという主張です。
子供をわけへだてなく扱うには「自制心」が必要ですが、自分の子供がいる女性であればそれは比較的難しくないけれども、独身で子供を持ったことのない女性の場合はそうしようとしたら「かなりの自制心」が必要となり、自覚が足りないと失敗しやすいということです。

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