ラッセル『結婚論』第十八章 優生学 n.13

『結婚論』第十八章 優生学 n.13:科学の暴政に感情的ではなく科学的に対抗

・・・前略・・・。

 宗教は歴史が始まる前から存在してきたが,一方,科学はせいぜい四世紀前から存在しているにすぎない。しかし,科学が年月を経て尊ばれるようになれば,宗教と同じように我々(人間)の生活をコントロールするだろう。人間精神の自由を好む人々は皆,科学の暴政に反逆しなければならない時期がくることを私は予感する。にもかかわらず暴政が避けられないとすればその暴政は科学的なものであるほうがよい。(注:科学の暴政は,科学を壊すことではなく,科学的な思考によってコントロースするほうがよい。)

Chapter XVIII: Eugenics, n.13

Religion has existed since before the dawn of history, while science has existed for at most four centuries; but when science has become old and venerable, it will control our lives as much as religion has ever done. I foresee the time when all who care for the freedom of the human spirit will have to rebel against a scientific tyranny. Nevertheless, if there is to be a tyranny, it is better that it should be scientific.
出典: Marriage and Morals, 1929.
詳細情報:https://russell-j.com/beginner/MM18-130.HTM

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