出来る子と出来ない子とでは教え方を変えなければならない


 教育全体を通して,自発性は,できるかぎり生徒(の側)から出て釆なければならない。モンテッソーリ夫人は,ごく幼い子供(たち)の場合,どうすればそれができるかを明らかにしている。しかし,年上の子供(たち)の場合は,違った方法が必要になる。従来よりも個人学習(独りで行う勉強)をずっと多くし,クラスでする学習(勉強)をずっと少なくしなければならないということは,進歩的な教育家の一般的に認めるところであると思われる。ただし,その場合,個人学習は,同じように個人学習している他の少年少女がいっぱいいる教室でなされなければならない。図書室や実験室も,充実し,広々と(ゆったりと)していなければならない。一日の学習時間のうちのかなりの部分は,自発的かつ自ら方向を定めた学習(勉強)のために取っておかなければならない。しかし,生徒は,自分が今勉強していることについて(先生への)報告文(an account)を書き,それに,身につけた知識についての摘要(要約)を付しておかなければならない。こうすれば,事柄が記憶に刻みこまれるし,読書も散漫でなく一つの目的を持つものになり,教師は,個々のケースについてそれぞれ必要なだけの監督(コントロール)をすればよいようになる。
生徒の頭がよければよいほど,ますます監督は不要になる。あまり頭のよくない生徒の場合は,多くの指導を与える必要があるだろう。しかし,そのような生徒に対しても,指導は,命令によるのではなく,暗示したり,質問したり,刺激したりすることによって行なわれるべきである。しかし,そこでは,同時に,ある指定された主題について,いろいろと事実を確認し,それをきちんと整理された方法で提示する練習をさせる(ような)テーマが課されなければならない。

All through education, initiative should come from the pupil as far as possible. Madame Montessori has shown how this can be done with very young children, but with older children different methods are required. It is, I think, generally recognized by progressive educationists that there should be much more individual work and much less class work than has been customary, though the individual work should be done in a room full of other boys and girls similarly engaged. Libraries and laboratories should be adequate and roomy. A considerable part of the working day should be set apart for voluntary self-directed study, but the pupil should write an account of what he or she is studying, with an abstract of any information acquired. This helps to fix things in the memory, to make reading have a purpose instead of being desultory, and to give the teacher just that amount of control which may be necessary in each case. The cleverer the pupil, the less control is required. With those who are not very clever, it will be necessary to give a great deal of guidance ; but even with them it should be by way of suggestion, inquiry, and stimulus rather than by command. There should, however, also be set themes, giving practice in ascertaining the facts about some prescribed subject, and in presenting them in an orderly manner.
出典: On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 2:Education of character, chap. 16: Last school years.
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE16-040.HTM

<寸言>
義務教育の期間においては、出来ない子どもに対しては,出来る子どもに比べて,より多くの手をかけ,教え方も工夫をする必要があるだろう(集団授業,個別指導,図書室の利用,ICTの活用・・・)。義務教育期間においては、子どもが自発的に興味を持って学習をする習慣をつけることが一番重要であり,その期間を過ぎれば、(経済的な制約をできるだけないようにしておくとの条件のもとで)後は、学習においては自己責任の割合が大きくなるであろう。

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