「教え込み」ではなく,子どもの興味・関心を「引き出し」「心身を育てる」

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・・・。逆に,もし最初に子供の知識欲を刺激し,その後,子供が求めている知識を一つの恩恵(贈り物)として与えることができるならば,状況はまったく異なってくる。外からの躾けは大幅に不必要になり,子供の注意力もやすやすと確保される。この方法で成功するためには,ある一定の条件が必要であり,モンテッソーリ夫人は,ごく幼い子供の間に,そうした条件を作り出すことに成功している。(即ち,)(子供に与えられる)課題は魅力的かつ難しすぎないものでなくてはならない。最初は,少し上の段階にいる他の子供たちのお手本がなくてはいけない。その時に,他に明らかに楽しい仕事(注:子供にとっては遊び=仕事)が子供のために用意されていてはならない。子供がしてもよいものがいくつかあれば,子供は,何であれ,自分の好むもの(好むほう)を自分のために(by himself)するのである。こういう体制のもとでは,ほぼすべての子供は完全に幸福であり,5歳以前に,強制しなくても読み書きできるようになる。

If, on the contrary, you can first stimulate the child’s desire to know, and then, as a favour, give him the knowledge he wants, the whole situation is different. Very much less external discipline is required, and attention is secured without difficulty. To succeed in this method certain conditions are necessary, which Madame Montessori successfully produces among the very young. The tasks must be attractive and not too difficult. There must, at first, be the example of other children at a slightly more advanced stage. There must be no other obviously pleasant occupation open to the child at the moment. There are a number of things the child may do, and he works by himself at whichever he prefers. Almost all children are perfectly happy in this regime, and learn to read and write without pressure before they are five years old.
出典: On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 2:Education of character, chap. 14: General principles
詳細情報:https://russell-j.com/beginner/OE14-120.HTM

<寸言>
子どもはいろいろなことを知りたいという生まれつきの欲求をもっている。教育においてその欲求を利用しない手はない。
Education の本質は、教える(teach)ことではなく、興味・関心を引き出し、心身を育てる(educate)ことにある、といわれる所以である。

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