年上の子供の大きな効用は「達成可能な」野心を与えること

play_with_older-chidren 年上の子供の大きな効用は,達成可能な野心を与えることにある。年上の子供のゲームに加わる資格があると思われたいために,子供は,大変な努力をするものである。年上の子供は,無造作な自然な仕方でふるまい,大人が子供とゲームをするときに必ずやるように,気を使ったり,ふり(make-believe)をしたりすることがない(注:弱いまねをしたり,たいしたことでないのにおおげさにほめたり・・・。因みに,安藤氏は「まねごと」と,魚津氏は「手加減したりしない」と訳している)。もしも,大人がこのような気遣いをしなければ,子供には苦痛となるだろう。なぜなら,大人は力と権威を持っているからであり,また,大人は自分が楽しむためではなく,子供を楽しませるために遊ぶからである。子供は,親が極端に厳格な躾けをした場合を除いて,大人に対してはありえないような流儀で,兄や姉の言うことは喜んで服従するものである。
下位の役(従う者)として協力することを学ぶことは,ほかの子供(たち)から与えられるのが最も良い。

The great use of older children is to provide attainable ambitions. A child will make tremendous efforts to be thought worthy of joining in an older child’s game. The older child behaves in an off-hand natural way, without the consideration and make-believe which is bound to form part of a grown-up person’s games with children. The same lack of consideration in a grown-up would be painful, both because the grown-up has power and authority, and because he plays to please the child, not to please himself. A child will be cheerfully submissive to an older brother or sister, in a way which would be impossible towards an adult, except as a result of excessive discipline. The lesson of co-operation in a subordinate role is best learnt from other children
 出典 On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 2:Education of character, chap. 10: Importance of Other Children
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE10-020.HTM

[寸言]
幼児は、保育園に入る前は、もっぱら家庭で遊ぶことになるが、現代の家庭では一人っ子の場合が少なくなく、子どもは、一人遊びか、親と「遊ぶ」ことになり易い。
親は、自分の子どもを、知り合いの子どもなど、できるだけ同世代や少し年上の子どもと一緒に遊ばせることが望まれる。
しかし、現代の両親は平日は忙しく、お休みは家族だけで過ごそうとして・・・。

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