なぜこんなに長い間,「おくるみ」(注:赤ん坊を包む長い布)を着せる習慣に固執してきたのか,ほとんど想像がつかない。このことは,親の愛情でさえ,怠惰にうち勝つことが難しい(=親も赤ん坊にかかりっきりになれない/休息をとりたい)ことを示している。というのは,赤ん坊の手足が自由になれば,ますます目が離せなくなるからである。
How our ancestors can have so long persisted in the practice of swaddling-clothes is almost inconceivable ; it shows that even parental affection has difficulty in overcoming laziness, since the infant whose limbs are free needs more attention.
出典: On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 2:Education of character, chap. 3: the first years.
詳細情報:https://russell-j.com/beginner/OE03-060.HTM
[寸言]
真綿やおくるみにくるんで赤ん坊を大事に扱っているようにみえても、そこには赤ん坊ばかりにかまっていられないという親(多くの場合母親)の防衛策がひそんでいるのか!?
★ 親(母親)と赤ん坊にアンケート調査実施。
母親へ: 「おくるみ」は赤ん坊にとって窮屈だ、赤ん坊によっては「虐待」になると思いませんか?
赤ん坊へ: 「おくるみ」は好きですか?(快適ですか?) 窮屈で邪魔ですか?
★ 動物(特に犬)にもアンケート調査実施
いろいろ窮屈そうな服を着せられていますが、はた迷惑ではないですか?(自分で体温調節できなくなっていませんか?)
「お仕着せ」だと思いますか? あるいは飼い主のあなたに対する深い愛情だと思いますか? それとも,餌をもらうために我慢しなければならない「仕事着」(制服)だと思いますか?