経済第一,お金第一:「金銭崇拝」の行きつくところ undiluted fight for financial success

DOKUSH34 ・・・・。以上のような結果,アメリカでは,知的職業にたずさわる人は,実業家のまねをし,ヨーロッパにおけるように独自のタイプをなしていない。それゆえ,アメリカには,富裕階級のすべてにおいて,金銭的な成功のための露骨な容赦ない闘いを緩和するものは,何ひとつ存在しない。アメリカの少年たちは,ごく幼いころから経済的(金銭的)な成功のみが唯一重要な事であると感じているので,’金銭的な価値のない教育’にわずらわされることを望まない。

The consequence of all this is that in America the professional man imitates the businessman, and does not constitute a separate type as he does in Europe. Throughout the well-to-do classes, therefore, there is nothing to mitigate the bare, undiluted fight for financial success.
From quite early years American boys feel that this is the only thing that matters, and do not wish to be bothered with any kind of education that is devoid of pecuniary value.
* undilted (adj.): 薄めていない、純粋の
出典:The Conquest of Happiness, 1930, chap.31:What makes people unhappy?
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA11-040.HTM

[寸言]
これは,ラッセルがこのエッセイを書いた1930年代のアメリカの状況ですが,現在でも状況はあまり変わっていないようです。

だいぶ以前のことですが,日本経済が比較的好調な時期に,日本の富裕層の父親が子供に百万単位のお金を渡して,株式を通して経済の勉強をさせている(また某高校でも,仮想のお金を生徒に割り当てて,株式売買を通して,経済の学習をさせている)との紹介が,日経WBSでありました。結局バブルが弾けてしまいましたが・・・。

アベノミクスということでこれまでは「相対的に」ある程度調子がよかったかもしれないですが,後1年くらいでまた元の木阿弥になり,「アベノ(の)リスク」だった,ということになるような気がしますが・・・!?。
それに,2020年のオリンピックまで,東京大地震も,南海トラフ大地震も,富士山の大爆発,のいずれも起こらないという前提でものを考えるのは危険ではないでしょうか?

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