ラッセル『私の哲学の発展』第5章 「一元論にそむいて多元論へ」 n17 

 そういった(哲学に取り組み始めた)初期の時代以来、私は多様な問題について自分の意見を変えてきたけれども、現在同様当時、最重要だと思われた(いくつかの)点については(今にいたるまで)意見を変えてこなかった。私は今でも(still いまだ)、外的関係の学説(外的関係説)と,それと結びついている多元論(注:一元論に対立する考え方)とに固執している(hold to を固く信じている)。私は今でも、ひとつの孤立した真理が完全な意味で真でありうる、と信じている(注:部分的な真は本当の真ではなく、全体的な真のみが本当の真であるというヘーゲル的な考えたかに対抗する考え方)。私は今でも、分析は、ものをゆがめて見ること(falsification 歪曲/偽証)にはならない、と信じている(注:分析は部分しか見ていないので方法論として誤っているという批判に対する反論)。私は今でも(いまだ)、トートロジー(論理的真理)以外のいかなる命題も、もし仮にそれが真であるならば、事実への関係(注;事実の裏付けがあること)によって(in virtue of)真であるということ、また事実一般は経験から独立しているものである,と信じている。私は経験を欠いている宇宙(注;人間等の感覚器官を持っている生命体のいない宇宙など)において、不可能なものは何物も認めない(注:see nothing 何物も目に入らない)。反対に、経験は、宇宙の非常に小さな部分の、極めて狭く宇宙的には取るに足らない面(様相)であると考ぇる。これらすべての事柄(問題)に関して、カントとヘーゲルの教えを捨てて以来、私の見解は変わっていない(have not changed 変わってこなかった)。

Chapter 5: Revolt into Pluralism, n.17
Although I have changed my opinion on various matters since those early days, I have not changed on points which, then as now, seemed of most importance. I still hold to the doctrine of external relations and to pluralism, which is bound up with it. I still hold that an isolated truth may be quite true. I still hold that analysis is not falsification. I still hold that any proposition other than a tautology, if it is true, is true in virtue of a relation to fact, and that facts in general are independent of experience. I see nothing impossible in a universe devoid of experience. On the contrary, I think that experience is a very restricted and cosmically trivial aspect of a very tiny portion of the universe. On all these matters my views have not changed since I abandoned the teachings of Kant and Hegel.
 Source: My Philosophical Development, chap. 5:1959.  
 More info.:https://russell-j.com/beginner/BR_MPD_05-170.HTM    

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