ラッセル『宗教と科学』第8章 宇宙の目的 n.16


 宇宙の目的に関する汎神論的理論(汎神説)は、有神論的理論(有神説)と同様に -いくらか異なった形ではあるが- 経時的(時間的)進化の必然性を説明する難しさで苦しんでいる(苦労している)。実際には汎神論者の全てが信じているように,もし時間が究極的には実在しないというのなら、どうして世界の歴史において最善なものが先にくるのではなく後からやってくるのであろうか? そのまったく逆の順序も同様によかったのではないだろうか? もし、あらゆる出来事に日付があるという観念(考え)は幻想であり、神がその観念から自由である(解放されている/制約を受けない)というのなら、神はなぜ喜ばしい出来事を終りに置き、喜ばしくない出来事を始めに置いたのであろうか?(注:キリスト教の神はこの世を創造するにあたり、「人間を最後に創造した」としている。) 私は、この疑問に答えることができないと考えることにおいて、インゲ主席司祭と同意見である。

Chapter 8:Cosmic Purpose , n.16
The pantheistic doctrine of Cosmic Purpose, like the theistic doctrine, suffers, though in a somewhat different way, from the difficulty of explaining the necessity of a temporal evolution. If time is not ultimately real – as practically all pantheists believe – why should the best things in the history of the world come late rather than early? Would not the reverse order have done just as well? If the idea that events have dates is an illusion, from which God is free, why should He choose to put the pleasant events at the end and the unpleasant ones at the beginning? I agree with Dean Inge in thinking this question unanswerable.  出典:Religion and Science, 1935, chapt. 8: Cosmic Purpose  情報源:https://russell-j.com/beginner/RS1935_08-160.HTM

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