ラッセル『権力-その歴史と心理』第一章 n.4


 第1章 権力衝動 n.4: 権力と光栄に対する欲望

Chapter 1: The Impulse to Power, n.4

 人間の果てしない欲望(欲求)のなかで,最も主要なものは,権力と光栄に対する欲望(欲求)である。このふたつ(権力欲と光栄欲)は,密接な関係があるが,決して同一(まったく同等のもの)ではない。総理大臣(の場合)は,光栄よりも権力のほうをより多く持っているが,(の場合)は,権力よりも光栄のほうをより多く持っている。けれども,一般的に言って,光栄(栄誉)を得る最短の近道は,権力を得ることである。このことは,特に公的な出来事との関係で活動している人(公権力を行使する人々)の場合,特にそうである(当たっている)。それゆえ,光栄(栄光)に対する欲求(多くの人に褒められたいという欲求)は,大体において,権力欲によって促進される活動と同じ種類のものであり,こうした二つの動機は,大部分の実際上の目的に対しては,一つのものと見なされる。

Of the infinite desires of man, the chief are the desires for power and glory. These are not identical, though closely allied : the Prime Minister has more power than glory, the King has more glory than power. As a rule, however, the easiest way to obtain glory is to obtain power; this is especially the case as regards the men who are active in relation to public events.The desire for glory, therefore, prompts, in the main, the same actions as are prompted by the desire for power, and the two motives may, for most practical purposes, be regarded as one.
 出典: Power, 1938.
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/POWER01_040.HTM

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