戦争犯罪-爆撃の巻き添え死した人からみれば爆撃はテロ

TP-WCV2・・・。私がヴェトナム戦争に関する自分の態度や声明の根拠としたのは,他の専門の調査員たちの報告書と同様,一部はこうしたシェーンマン(ラッセルの秘書)の報告書や,また1964年11月に現地で直接の印象を得るために平和財団(=ラッセル平和財団)のメンバーとして最初にヴェトナムに赴いたクリストファー・ファーレ(後に、ラッセルの秘書)の報告書のような,いくつかの報告書であった。
けれども,私が自分の意見の主たる根拠としているのは,日々の新聞,特に米国の新聞に報道されてきた事実である。これらの報道(記事)は,新聞の編集方針に影響を与えないように見えたということで,たまたま公表されてきたように思われる。

lt was in part upon such reports as Schoenman’s and of those of Christopher Farley who, in November, 1964, was the first member of the foundation to go to Vietnam to obtain first-hand impressions, that I base my attitude and statements in regard to the Vietnam war, as well as upon reports of other special investigators. Chiefly, however, I base my opinions upon the facts reported in the daily newspapers, especially those of the United States. These reports seem to have been published almost by chance since they appear not to have affected editorial policy.
出典: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3:1944-1969 ,chap4:The Foundation,(1969)
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/AB34-240.HTM

[寸言}
つまり、他国のマスコミの情報であれば、米国は「偏見に満ちている」とか「事実ではない(客観的な報道ではない)」といって無視するであろうが、米国の「信頼できる」報道機関による記事を積み上げたものであれば、簡単には反論できないであろう、との思いから、米国の報道機関によるベトナム戦争報道をラッセルは重視したのである。

現在のイラクやシリアにおける米軍やイラク軍や有志連合による爆撃によって巻き添えで死んだ民間人は膨大な数に登っている。
たとえば、これはアメリカの報道機関ではないが、日々の死亡者数が記載されている下記のページによれば、2014年1月10日から2015年5月11日までの間に、イラク軍による爆撃等によって死亡した民間人は少なくとも2,156人(負傷者は3,747人)いると言われている。イラクやシリアにおいて、米軍やロシア軍を含めた有志連合の兵士によって巻き添えで殺害された民間人は膨大な数に登ることが容易に想像される。
http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nobu/iraq/chrono/chrono15/indiscriminate_attack_iraq.htm

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