性教育は思春期以前にほとんど終えておく必要がある

 についてほかの子供からまずく教えられる恐れがないのであれば,この(性教育の)問題は,子供の好奇心が自然に働くままにまかせて置き,両親はただ質問に答えるだけにとどめてもおくことも可能であろう。
ただし,子どもに性について思春期以前に必ず全て理解させるとの条件付きである。もちろん,これは必須条件である。少年や少女がなんの準備もなしに,思春期の身体的・情緒的な変化に襲われ,もしかすると何か恐ろしい病気にかかったのではないかという感情を持たせることは,残酷な仕うちである。その上,性の題目は全て,思春期以後ではとても刺激的なものであるため,少年少女は,科学的な精神でそれを聞くことができない。
もっと幼い頃であれば,それは完全に可能である。それゆえ,みだらな話を耳にする恐れがあるからということとはまったく関係なく,少年少女は,思春期に達する前に性行為の本質を知るべきである。

If there were no likelihood of being taught badly about sex by other children, the matter could be left to the natural operation of the child’s curiosity, and parents could confine themselves to answering questions–always provided that everything became known before puberty. This, of course, is absolutely essential. It is a cruel thing to let a boy or girl be overtaken by the physical and emotional changes of that time without preparation, and possibly with the feeling of being attacked by some dreadful disease. Moreover, the whole subject of sex, after puberty, is so electric that a boy or girl cannot listen in a scientific spirit, which is perfectly possible at an earlier age. Therefore, quite apart from the possibility of nasty talk, a boy or girl should know the nature of the sexual act before attaining puberty.
出典: On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 2:Education of character, chap. 12: Sex Education
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE12-080.HTM

<寸言>
北欧のように社会福祉が整っていてかつ民主化されている社会においては進んだ性教育が行われているが、そうでない社会にあっては、どうしても性教育に多少の歪みができてしまうのは必然かも知れない。

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