多くの美徳の第一歩は,建設的な喜び経験することから生じる。子供が自分の作ったものを壊さないでおいてほしいと頼むとき,他の人が作ったものを壊してはいけないということを,子どもに容易に理解させることができる。このようにして,労働から生み出されたもの - 即ち,社会的に無害な唯一の私有財産の源泉 - を敬う心を育てることができる。同時に,子供に忍耐・根気・観察への刺激も与えることになる。こういう性質がなければ,子供は,自分の(積み木の)塔を,心に決めていた高さに積み上げることに成功しないであろう。子供と遊ぶときには,子供の野心を十分に刺激し,どのようにすればよいかを示すために,まず(親が)自分で作ってみせるだけでよい。その後は,建設は子供みずからの努力にまかせなければならない。
The first beginnings of many virtues arise out of experiencing the joys of construction. When a child begs you to leave his constructions undestroyed, you can easily make him understand that he must not destroy other people’s. In this way you can create respect for the produce of labour, the only socially innocuous source of private property. You also give the child an incentive to patience, persistence and observation; without these qualities, he will not succeed in building his tower to the height upon which he had set his heart. In play with children, you should only construct yourself sufficiently to stimulate ambition and to show how the thing is done; after that, construction should be left to their own efforts.
出典: On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 2:Education of character, chap. 6: Constructiveness.
詳細情報:https://russell-j.com/beginner/OE06-030.HTM
<寸言>
努力して得たものに対しては誰も非難したり,奪い取ったりすることも少ない。しかし、不労所得やあくどいやり方や地位を利用して不当に得たものに対しては人(国民など)は非難し、剥奪しようとする。しかし、現代においては国民の財産をかすめとる巧妙な方法を考えつく「利口な人」がけっこういて、「現行の」法の抜け穴を利用して、合法的な搾取が行われている。