「御用学者、御用!御用!」

goyogakusha_fueruwake 本物の科学者に対しては,私は最高度の尊敬を抱いている。本物の科学者は,現代世界において,真に建設的であると同時に,心底から革命的な一つの力である。科学者は,一般の人たちと同様に持っている偏見に関係ない専門的な問題を扱っている場合は,他の誰よりもずっと正しい判断を下す傾向にある。だが,残念ながら,個人的に強い感情を抱いている問題に取り組む場合に,公平無私な立場を維持できる科学者がほとんどいない。

For the genuine man of science I have the highest possible respect. He is the one force in the modern world at once genuinely constructive and profoundly revolutionary. When the man of science is dealing with technical matters that do not touch upon the prejudices which he shares with the average man, he is more likely to be right than anyone else. But unfortunately very few men of science are able to retain their impartiality when they come to matters about which they feel strongly.
出典: Are men of science scientific? (written in Feb. 24, 1932 and pub. in Mortals and Others, v.1, 1975.]
詳細情報:http://russell-j.com/KAGAKSHA.HTM

<寸言>
科学のあらゆる分野において専門化がますます進んでいます。科学の発展のためには必要なことではありますが,弊害も少なくありません。そこで境界領域的な,また広域的な科学も多く生まれてきましたが,十分とは言えません。科学者にもいろいろなタイプがいて,専門以外のことには口を余りはさまないようにしている謙虚な人もいれば,あらゆることに意見を述べようとする「識者」もいます。専門バカも謙虚さを失った科学者も不用であり,真の意味で「科学的な」科学者が増えてもらいたいものです

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