ラッセル『権力-その歴史と心理』第3章 権力の形態 n.11

 組織のタイプが異なれば,異なるタイプの個人(人間)を組織のトップに持ってくる(=異なるタイプの人間がトップに就く)。また,社会の状態が異なれば異なるタイプの個人(人間)が社会のトップに就く
(注:みすず書房版の東宮訳では「組織のタイプがいろいろ違うにつれて,個人のタイプも違ってくるし,社会状態も違ってくる」とひどい誤訳となっている。”to the top”の意味がわからなかったようである。)
一つの時代は,その時代の傑出した個人によって歴史上に姿を現し,その時代のはっきりした性格も,そうした傑出した人々の性格に由来する傑出するために必要な資質が変化するに連れ,傑出した人物のタイプも変化する。
(注:東宮氏は “As” を「~のように」と訳してしまっている。)
 12世紀にレーニンような人物が存在したと考えることもできるし,また,現代においてリチャード獅子心王のような人物がいると考えることもできる(「想定可能」である)。しかし,歴史はこうした人物を知らない(歴史上知られていない)。
ここでしばらくの間,権力のタイプの違いによって生み出される個人の種類の違いについて考察してみよう。

Chapter III: The Forms of Power, n.11

Different types of organization bring different types of individuals to the top, and so do different states of society. An age appears in history through its prominent individuals, and derives its apparent character from the character of these men. As the qualities required for achieving prominence change, so the prominent men change. It is to be presumed that there were men like Lenin in the twelfth century, and that there are men like Richard Coeur de Lion at the present time; but history does not know of them. Let us consider for a moment the kinds of individuals produced by different types of power.
 出典: Power, 1938.
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/POWER03_110.HTM

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です