他人の不幸を自分にあてはめてみることができる想像力・共感力・思いやり

Albert-Schweitzer-Life-Quotes 後に残酷さに発達する可能性のあるものについては,その最初の芽ばえから,監視すべきである。子供に生命を尊重することを教えよう。あなたが動物を殺しているところを子供に見せてはならない。たとえスズメバチやヘビでもよくない。どうしても殺さざるをえないときは,なぜ特にこの場合は殺したかについて,ごく慎重に説明してあげよう。
もし子供が年下の子にやや不親切な行為をしたら,すぐに彼にも同じことをしてやろう。彼はきっと文句を言うだろう。そうしたら,自分にして欲しくなければ,他の人にもしてはいけない,と説明してあげることができる。このようにすれば,他人もまた自分と同じような感情を持っているという事実に,彼の注意を,生き生きとむけさせることになるのである。

You should watch for the first beginnings of what may afterwards develop into cruelty. Teach the boy respect for life; do not let him see you killing animals, even wasps or snakes. If you cannot prevent it, explain very carefully why it is done in this particular case. If he does something slightly unkind to a younger child, do the same to him at once. He will protest, and you can explain that if he does not want it done to him he must not do it to others. In this way the fact that others have feelings like his own is brought vividly to his attention.
出典: On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 2:Education of character, chap. 9: Punishment
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE09-060.HTM

[寸言]
身近でない他人の不幸に対して、自分に(その状況を)あてはめてみて考えることができるかどうかは、幼児期の子どもに対する親の躾が大きく影響しているのではないか? 逆に大人になっても、他人(他の階層の人々、他国、直接利害関係のない他人など)の不幸をほとんどなんとも思わない人(口先だけ同情的な言葉を言う人も含む)は,幼年期における躾や性格の教育に問題があったのではないか?

hate-speech_is_not_free-speech ヘイトスピーチにも2種類ありそうである。一つは優越感から他者をみくびるタイプ。もう一つは、自分がみじめなのはあいつらのせいだ(移民のせいだ、在日韓国人のせいだ、中国人のせいだ、アメリカ人のせいだ)と思う,被害者意識にとらわれているタイプ。

 「他人もまた自分と同じような感情を持っている」ということがわかっていない大人が多すぎる。特に、自分の努力によってではなく、裕福な家に生まれたとか、かなりの遺産を相続したとか、地盤を引き継いで(いわば世襲で)政治家になったとか、いうような大人にそういったタイプが少なくない。そういった特権的な地位を維持することがその人にとって最大の仕事となる。

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