第18章 権力を手懐けること n.24


 私は今や権力を手懐けるための(政治)宣伝の条件について論ずべき時に来ている(I come now to)。(政治などに対する)不平不満を公にすること(公表すること)は可能でなくてはならない。(注:みすず書房版の東宮訳では「publicity for grievances must be possible」を想像たくましく,「労働条件に対する不平不満の公聴会」と訳出している!)。扇動(行為)は,法律違反をかきたてるものでないかぎり,自由でなければならない。役人が自分の権力(や権限)以上のことをしたり,権力濫用したりする場合には,彼らを告発するいろいろな方法がなければならない。今日の政府は,(国民を)脅迫したり,選挙人名簿を偽造したり,あるいはそれ以外の似通った方法を用いることによって(現政権/当該政権を)永続化を確保するような立場(position 姿勢;態度)にいてはならない。何らかの十分な根拠にもとづいて高名な人物を,公式あるいは非公式に,批判した場合,いかなる処罰もなされてはならない(注:批判対象が首相や元首であっても罰則を与えてはならない)。こうしたことの多くは,現在,民主主義国の政党政治によって確保されているが,そのことは,権力を握っている政治家達を,ほぼ半数の国民による敵対的批判の対象にしている。そのために,そういったことがなければ政治家たちが犯しがちな多くの罪を彼らが犯すことを不可能にしている(のである)。

Chapter 18: The taming of Power, n.24
I come now to the propaganda conditions for the taming of power. It is obvious that publicity for grievances must be possible ; agitation must be free provided it does not incite to breaches of the law; there must be ways of impeaching officials who exceed or abuse their powers. The government of the day must not be in a position to secure its own permanence by intimidation, falsification of the register of electors, or any similar method. There must be no penalty, official or unofficial, for any well-grounded criticism of prominent men. Much of this, at present, is secured by party government in democratic countries, which causes the politicians in power to be objects of hostile criticism by nearly half the nation. This makes it impossible for them to commit many crimes to which they might otherwise be prone.
 出典: Power, 1938.
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/POWER18_240.HTM

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