ラッセル『権力-その歴史と心理』第9章 世論に対する影響力 n.2


 かくして,我々は一種の一進一退(追いつ追われつのゲーム)の状態にある。 第一に,少数者を改心(回心)へと導く純粋の説得がある。次に(第二)に,(純粋な説得だけではだめな)社会の残り人たち(the rest of the comunity)を適切な宣伝(注:right propaganda それらの人々にあった宣伝?)にさらすためにふるわれる力(force 強制力)がある。そして最後に(第三に)、力(強制 力)の使用を再び不要にさせる,大多数の側の純粋な信念がある。ある穫の意見(opnion 世論)は決して第一の段階を越えることはなく,ある種の意見 (世論)は第二の段階に達した後に効力を失い,その他の意見(世論)はこれら3つの段階全てにおいて成功をおさめる。

(キリスト教の)フレンド教会(友愛教会)は,決して説得の段階(注:第一の段階)を越えたことがない。フレンド教会以外の非国教徒はクロムウェルの時代に国家の様々な力(強制力)を獲得したが,権力掌握以後の宣伝において失敗した。カトリック教会は300年(三世紀)にわたる説得の後に,コンスタンティヌス帝の時代に国家を虜にし(注:ローマをキリスト教に変えたこと) ,その後,カによって一つの宣伝組織を確立し,それによってほとんど全て の異教徒を(キリスト教に)改宗させ,キリスト教が蛮族の侵入を切り抜けて生き残ることを可能にした。マルクス主義の信条は,ロシアにおいて,第三の段階とはいかないまでも,第二の段階に達したが,ロシア以外の国のいずれにおいてもいまだ第一段階にある。(訳注:ここでマルクス主義が出てくるのは, 「狂信的な信条」は宗教と同じだとラッセルは考えているため。)

Chapter IX: Power Over Opinion, n.2

We have thus a kind of see-saw: first, pure persuasion leading to the conversion of a minority ; then force exerted to secure that the rest of the community shall be exposed to the right propaganda ; and finally a genuine belief on the part of the great majority, which makes the use of force again unnecessary. Some bodies of opinion never get beyond the first stage, some reach the second and then fail, others are successful in all three. The Society of Friends has never got beyond persuasion. The other nonconformists acquired the forces of the State in the time of Cromwell, but failed in their propaganda after they had seized power. The Catholic Church, after three centuries of persuasion, captured the State in the time of Constantine, and then, by force, established a system of propaganda which converted almost all the pagans and enabled Christianity to survive the Barbarian invasion. The Marxist creed has reached the second stage, if not the third, in Russia, but elsewhere is still in the first stage.
 出典: Power, 1938.
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/POWER09_020.HTM

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