ラッセル『権力-その歴史と心理』第8章 経済的な権力 n.5


・・・そうして,土地の所有権は,歴史を遡ってゆけば,通常,そのような征服に行き着くことができる国際的な経済関係においては,我々はいまだ自警団の最初の創設に象徴されているような段階までも至っていない(注:本書が出版された1938年当時は国際経済は無政府状態)。強国(相対的に強い国)は,個々に,いまだ弱国(相対的に弱い国)から死の威嚇(滅ぼすぞとの脅迫)によって金銭をしぼり取っている。このことは,石油問題に関するつい最近の英国とメキシコとの間の取引によく示されている。あるいは,もしモンロー主義が無かったならば,右の取引によく示されたであろう(と言ったほうがよいかも知れない)。もっと強制的な例は,ヴェルサイユ条約の賠償条項であった。しかし,文明国の国内経済体制においては,法的根拠はきわめて複雑である。教会の富伝統に依存している。貸金労働者は,ある程度まで,労働組合制度と政治活動によって利益をえてきた。妻子は,社会の道徳的感情に基づく諸権利をもっている。しかし,国家によって作られた経済に関する法規がどうあれ,背後にある軍事力はこれらの法規を施行するのに欠くべからざるものである

… and ownership of land can usually be traced back to some such conquest. In international economic relations, we have not yet reached the stage represented by the first formation of the committee of Vigilantes: the stronger nations, individually, each still extract money from the weaker by the threat of death. This is illustrated by recent British dealings with Mexico in the matter of oi1, or rather would be but for the Monroe Doctrine. A more forcible illustration was the Reparation Clauses of the Versailles Treaty. But in the internal economic systems of civilized countries the legal foundations are complex. The wealth of the Church depends upon tradition ; wage-earners have profited to some extent by trade unionism and by political action ; wives and children have rights which are based upon the moral sentiments of the community. But whatever the economic rules made by the State may be, military power in the b background is essential to their enforcement. 出典: Power, 1938.
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/POWER08_050.HTM

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