ラッセル『結婚論』第九章 人生における恋愛の位置 n.6


第九章 人生における恋愛の位置 n.6: 恋愛は社会学者が関心を持つべき事柄

 幸福な相互的な愛情に結ばれた深い親密さと熱烈な付き合いをまったく経験したことのない人びとは,人生が提供する最上のものを失っていることになる。彼らは(そういった人たちは),たとえ意識はしていないとしても,無意識的にこのことを感じており,その結果生じる失望のために,(他者に対する)ねたみ,抑圧,残虐(な行為)に傾いていく。従って,情熱的な愛に正当な位置をあたえることは,社会学者が関心を持つべき事柄(matter 問題)でなければならない。なぜなら,男性も女性も,もしもこの経験を逸するなら(経験する機会を失えば),完全な精神的成長(stature)をとげることはできないし,世界のほかの人びとに対して,寛容な温かい気持ちをいだくこともできないからである。この気持ちがなければ,ほぼまちがいなく,彼らの社会的活動は有害なものになる(のである)。

Chapter IX: The place of love in human life, n.6

Those who have never known the deep intimacy and the intense companionship of happy mutual love have missed the best thing that life has to give; unconsciously, if not consciously, they feel this, and the resulting disappointment inclines them towards envy, oppression and cruelty. To give due place to passionate love should be therefore a matter which concerns the sociologist, since, if they miss this experience, men and women cannot attain their full stature, and cannot feel towards the rest of the world that kind of generous warmth without which their social activities are pretty sure to be harmful.
出典: Marriage and Morals, 1929.
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/MM09-060.HTM

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