ラッセル『結婚論』第八章 性知識に関するタブー, n.18


第八章 性知識に関するタブー, n.18:ギリシア人の(裸の)習慣?

 また,天気が良くて日が照っている日の戸外などの適切な環境において裸でいることを支持する重要な健康上の根拠(理由)もたくさんある。むきだしの皮膚に日光を浴びることは,とても素晴らしい健康増進の効果がある。(注:最近は紫外線の害が強調されていて、医学的には1日15分以上直射日光をあびないようが良いようであるが,少なくとも太陽の恵みの少ない国では健康増進に役立つであろう。)さらに,衣服を着ないで戸外を駆けまわっている子供たちを見守ったことがある人なら誰でも,彼らが衣服を着ているときよりもはるかに自分(の身体)をうまくコントロールし,いっそう自由かつ優美にふるまっていることに感銘を受けたにちがいない。同じことが大人にもあてはまる。裸に適した場所は,日光の降りそそぐ戸外水の中である。

 もしも,我々の慣習がこれを許すなら,間もなく,裸が性的に訴えることはなくなるであろう。我々は皆,より自分の身体のコントールが上手になり,肌に空気と日光をあてることでいっそう健康になり,我々の美の基準は,より健康の基準と一致するようになるであろう。美の基準は,顔(の美しさ)だけでなく,身体とその身のこなしにも関心を持つだろうからである。この点で,ギリシア人の(裸の)習慣は推賞されるものであった。(注:たとえば,古代のオリッピック選手は裸で競技をしており,男性の裸の肉体美が重要視されていた。)

Chapter VIII: The Taboo on sex knowledge, n.18

There are also many important grounds of health in favour of nudity in suitable circumstances, such as out-of-doors in sunny weather. Sunshine on the bare skin has an exceedingly health-giving effect. Moreover anyone who has watched children running about in the open-air without their clothes must have been struck by the fact that they hold themselves much better and move more freely and more gracefully than when they are dressed. The same thing is true of grown-up people. The proper place for nudity is out-of_doors in the sunshine and in the water. If our conventions allowed of this, it would soon cease to make any sexual appeal; we should all hold ourselves better, we should be healthier from the contact of air and sun with the skin, and our standards of beauty would more nearly coincide with standards of health, since they would concern themselves with the body and its carriage, not only with the face. In this respect the practice of the Greeks was to be commended.
出典: Marriage and Morals, 1929.
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/MM08-190.HTM

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