金から得たいものは他人に対する優越感ではなく「安心して楽しめる余暇」

trump-home 私はと言えば,私が金から得たいと思うものは,「安心して楽しめる余暇」である。ところが,典型的な現代人が金で手に入れたがっているものは,もっと金をもうけることであり,なんのためかといえば,人に見せびらかし,豪勢さほこり,これまで対等であった人たちを追い越すことである。アメリカの社会的階級(階層)は,段階が不明確で,絶えず変動している。その結果,社会的な序列が固定化しているところよりも俗物根性がおさまらない(血が騒ぐ)ことになる

For my part, the thing that I would wish to obtain from money would be leisure with security. But what the typical modern man desires to get with it is more money, with a view to ostentation, splendour, and the outshining of those who have hitherto been his equals. The social scale in America is indefinite and continually fluctuating. Consequently all the snobbish emotions become more restless than they are where the social order is fixed, …
出典:ラッセル『幸福論』第3章「競争」
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA13-030.HTM

<寸言>
ラッセルは,続けて次のように書いています。

michibata_nenshu5000man 金はそれ自体では人間を ‘立派’ にするに十分でないが,金なしに’立派’になることはむずかしい。その上,もうけた金の額が一般に,頭のよさの尺度とされている。金をたくさんもうける人間は’賢く’,もうけない人間は賢くない,とされる。だれだって愚かだとは思われたくない。そこで,株式市場が不安定な状態になると,人は試験中の子供のような気むずかしい気持ちになる

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