高等動物は全て,喜びを表現する方法を持っている。しかし,喜びを実際に感じない時に,喜び表わすのは,人間のみである。これは「礼儀(politeness)」と呼ばれ,徳目の一つに数えられている。乳幼児の(人を)当惑させる特性の一つは,彼等は本当に喜びを感じた時だけ笑うという事実である。乳幼児は,来客を真剣なまなざしで(目を見開いて)みつめ,相手があやそうとすると,大人の愚かな滑稽な動作(仕草)に対し怪訝な表情を表す。しかし彼らの両親は,即座に乳幼児に,彼とはまったく無関係で無関心な人々が出現しても嬉しいような表情をするように教えこむ。
All the higher animals have methods of expressing pleasure, but human beings alone express pleasure when they do not feel it. This is called politeness and is reckoned among the virtues. One of the most disconcerting things about infants is that they only smile when they are pleased. They stare at visitors with round grave eyes, and when the visitors try to amuse them, they display astonishment at the foolish antics of adults. But as soon as possible, their parents teach them to seem pleased by the company of people to whom they are utterly indifferent.
出典: On smiling (written in Aug. 17, 1932 and pub. in Mortals and Others, v.1, 1975.)]
詳細情報:https://russell-j.com/SMILING.HTM
[寸言]
一昨日(9月26火)の国会における安倍総理の所信表明演説に対し、自民党議員が総立ちで拍手をしている姿は異様でした。まるで北朝鮮の金正恩主席に対するへつらいの拍手のように感じた人は少なくないのではないでしょうか? 小泉進次郎も立ち上がって拍手しないだろうと思いましたが、ニュースによれば、周囲につられてつい立ち上がってしまったと反省の弁を述べていました。
米国での議会でも議員総立ちの拍手が時々あり、日本でもそのような場面を私の演説の時につくってみたいと夢想する。そのご主人様の気持ちを忖度して、自民党議員の20~30人くらいに、演説のよいタイミングでたちあがって大きな拍手をするように依頼する。人は近くの力をもっている者が立って大きな拍手をすれば釣られる人間がけっこういるものである。そういった人間がどんどん増えていけば、それに抵抗できる人は少ない。そうして、目立たくも(北朝鮮の)「喜び組」のような態度を多くの自民党議員がするようなことになってしまった。
そのような拍手が起こり始めると、安倍総理は少し演説をとめ、周囲を見渡す。すると、その視線を感じた議員諸君は、立って拍手をしていないところを安倍総理がみたら、自分は委員会の議長や大臣など、自分のつきたい役職を与えてくれないかも知れないという思いが一瞬よぎり、立ち上がって拍手することになる。アベチルドレンはもちろん早い時期から立ち上がって拍手する。めでたし、めでたし?(ここは想像で書きましたが、添付写真のように「台本」がありました!!)