ラッセル『宗教と科学』第8章 宇宙の目的 n.3


 バーミンガム司教は,既に見たように,汎神論を斥ける。なぜなら,もし世界が神(そのもの)であるのなら(同じものであるのなら),世界の中にある悪は神の中にあることになるからである。そしてまた,我々は -神が創造した宇宙とは異なり- 神は生成過程にはないと考えなければならない」からである(訳注:宇宙は変化しつつあるが,神と宇宙が同じものであれば,神も変化=生成過程/創造過程にあることになってしまう)。彼は,世界の中に悪が存在することを率直に(candidly)を認め,次のようにつけ加えている。「我々は,非常に多くの悪が存在していることに困惑する(困惑させられる)。そうして,この困惑(bewilderment 困惑)がキリスト教の有神論に反対する主要な論拠になっている」(と)。彼は称賛すべき誠実さを持って,我々の当惑が不合理であることを示そうとする試みはまったくしない。  バーンズ博士の説明は二種類の問題を提起する。宇宙の目的一般に関するもの及び,特にその有神論的形態に関するものである。前者の問題は後に残しておくとして,後者についてここで少し言及しておかなければならない。

Chapter 8:Cosmic Purpose , n.3
The Bishop rejects pantheism, as we saw, because, if the world is God, the evil in the world is in God ; and also because “we must hold that God is not, like his Universe, in the making.” He candidly admits the evil in the world, adding : “We are puzzled that there should be so much evil, and this bewilderment is the chief argument against Christian theism.” With admirable honesty, he makes no attempt to show that our bewilderment is irrational. Dr. Barnes’s exposition raises problems of two kinds – those concerned with Cosmic Purpose in general, and those specially concerned with its theistic form. The former I will leave to a later stage, but on the latter a few words must be said now.
 出典:Religion and Science, 1935, chapt. 8: Cosmic Purpose  
 情報源:https://russell-j.com/beginner/RS1935_08-030.HTM

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