高慢やおごりは偏見や誤解を生む母である -裸の王様(為政者)たち


 政治的に有害である誤まった信念を生じさせるもう一つの情熱高慢(pride うぬぼれ) 国籍,人種,性,階級,あるいは,信条に対する高慢(うぬぼれ)- である。私が小さい時,フランスはいまだ英国の伝統的な敵国とみなされており,また、1人の英国人は3人のフランス人をやっつけることができるということを,疑問の余地のない真理である,と思った。(だが)ドイツが敵国となると,この信念は修正され,英国人フランス人が,蛙を喰う傾向があるのを嘲笑することを止めてしまった(注:フランスはドイツと戦ってくれる「味方」になったため)。しかし、英国政府のさまざまな努力にもかかわらず,フランス人を自分たちと同等な人間であると本当に考えるようになった英国人は,ごくわずかしかいなかった,と私は思う。アメリカ人や英国人は,バルカン諸国についてよく知るようになると,ブルガリア人セルビア人との間に,あるいはハンガリア人ルーマニア人との間に,相互に敵意をもっていることを学ぶと,驚くとともに軽蔑心を感じる。彼ら(アメリカ人と英国人)にとって,それらの(小国同士の)敵意は馬鹿げたものであり,またそれら小国のそれぞれがみずからの(相手国に対する)優越を信じていることには,まったく客観的根拠がないことはあきらかだと思う。しかし彼ら(英米人)の大部分は,大国の国民的自尊心(うぬぼれ)が.バルカン半島の小国のそれと同様に,本質的に正当化しえないものであることにまったく気づくことができないのである。

Another passion which gives rise to false beliefs that are politically harmful is pride – pride of nationality, race, sex, class, or creed. When I was young France was still regarded as the traditional enemy of England, and I gathered as an unquestionable truth that one Englishman could defeat three Frenchmen. When Germany became the enemy this belief was modified and English people ceased to mention derisively the French propensity for eating frogs. But in spite of governmental efforts, I think few Englishmen succeeded in genuinely regarding the French as their equals. Americans and Englishmen, when they become acquainted with the Balkans, feel an astonished contempt when they study the mutual enmities of Bulgarians and Serbs, or Hungarians and Rumanians. It is evident to them that these enmities are absurd and that the belief of each little nation in its own superiority has no objective basis. But most of them are quite unable to see that the national pride of a Great Power is essentially as unjustifiable as that of a little Balkan country.
出典:Bertrand Russell: Ideas That Have Harmed Mankind,1946.
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/0861HARM-110.HTM

<寸言>
高慢,傲慢,うぬぼれ,おごり,いわれなき優越感,偽善,嘘,無知,知性に対する軽蔑,へつらい,権力者に対する忖度,「由らしむべし知らしむべからず」の政治や政治家・・・,それを許してきた国民・・・。
そう,国民は,自分たちにふさわしい政治家を選んでいる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です