たとえば,ほとんどのアメリカ人は,ラトヴィアを好悪の感情なく見る。その結果,アメリカ人はラトヴィアについては何一つ知らないということになる。もしもアメリカ人がある国を好きになったり,嫌いになったりすれば,自国アメリカの新聞は,事情しだいで(場合に応じて),その国に関する好意的なあるいは悪意のある情報を国民に提供するので,アメリカ人のその国に対する偏見は,大量の知識らしいものによって,しだいに強められるようになるだろう。
出典:ラッセル『アメリカン・エッセイ集』の中の「他者の視点で見ること」
詳細情報:http://russell-j.com/AS-O-SEE.HTM
I imagine that most Americans view Latvia, for example, without either love or hate, and the consequence is that they know nothing about Latvia. If they love or hate a country their newspapers will supply them with favourable or unfavourable information, as the case may be, and their prejudices will gradually come to be confirmed by a mass of what appears to be knowledge.
[寸言]
従って,マスコミと賢くつきあうためには,メディアリテラシー教育が非常に重要です。
「時の」政権を批判することになる題材は,公教育では無理でしょうから,「過去の」政権(いかなる政党であっても)が政権発足当初に言っていたことと実際にやったことを比較する教育を行えば,自ずといろいろな教訓が得られるのではないかと思われます。
ですが、自民党は,野党の時,「TPP絶対反対」をとなえていましたので,そんな題材を教科書あるいは副読本にとりいれたら「検定」はパスしないでしょう。
しかし,自国のことは嫌がっても、外国のことであればどの国も平気で非難できます。それなら、トランプ氏が選挙戦で公約で言っていたことと、大統領になった後、発言がどのように変わっていくか、実際に何をやるか、正確な記録をとって、メディア・リテラシー教育に活用すると賢い選挙民づくりに役立つのではないでしょうか?