超大国(強国)は,今のところ,その気になればいつでも,他の(弱小の)国々の成員を殺す特権を持っている。この自由(人を殺す特権)は,正義と公正を守るために死ぬ英雄的特権として偽装させられている。愛国者は,国(祖国)のために死ぬとは言うが,国(祖国)のために外国人を殺すとは言わない。
Great States have, at present the privilege of killing members of other States whenever they feel so disposed, though this liberty is disguised as the heroic privilege of dying in defence of what is right and just. Patriots always talk of dying for their country and never of killing for their country.
出典: Has Man a Future?, G. Allen & Unwin, 1962, p.84]
[寸言]
「愛国者は,国(祖国)のために死ぬとは言うが,国(祖国)のために外国人を殺すとは言わない。」はよく引用される一文。
「権力者は腐敗する。絶対的権力者は絶対的に腐敗する」(アクトン卿)もよく引用されるが、権力者は一個人とか一グループに限らない。アメリカ、ソビエト、中国などの超大国は、自分たちに敵対する者はテロリストだとか、悪の枢軸だとか、国家機密漏洩者だとか言って駆逐しようとするが、それらの敵対者を殺害したりする時に、多くの一般市民を殺害しても、もみ消したり、知らんふりしたりする。フリー・ジャーナリストの言うことなんか信用できないと宣伝し、従軍カメラマンなどだけ取材を許し、自分たちの側からの情報だけを一般に見せようとする。