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沢田允茂「バートランド・ラッセルと論理学」p.20

表紙 発刊のことば 目次  p.1 p.2 p.3 p.4 p.5 p.6 p.7 p.8 p.9 p.10 p.11 p.12 p.13 p.14 p.15 p.16 p.17 p.18 p.19 p.20 p.21 p.22 p.23 p.24 p.25 p.26 p.27 p.28 p.29 p.30 p.31 p.32 p.33 p.34 p.35 p.36 p.37 p.38 p.39 p.40 p.41 p.42 p.43 p.44 p.45 p.46 p.47 p.48 p.49 奥付
(p.20)ここではブールの業績を主体にしてのべたのですけれど、その他、いろいろな、数学者であって論理学を取り扱った人達がいたのです。けれども、それらの人々はやはり数学者であるために、どうしても、数学的に間題を取り扱うようになりますし、数学にうまく向くように論理を作っていったのです。今でも、ブールの考え方は、代数の一部門として、ブール代数とよばれまして、電気回路の表現などに非常にうまく適用されています。
 

ラッセルと命題論理学

 ところで、ラッセルでありますが、彼の非常に大きな功績とは何かと考えますと、それは或る意味で、ブールなどの考え方をもう一度アリストテレス的な論理学、或いは、人間の実際の言語とうまくむすびつくように努力したこと、と言って良いと思います。ラッセルはやはり単なる数学者ではなかったので、非常に厳密な数学的思考が大切だということは、もう若いときから考えておりましたけれども、同時にやはり哲学者であり、従って、もっといろんな、我々の日常の知識、日常の言葉であらわされる知識の内容というものに興味を持っていたのです。(次のページに続く)