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沢田允茂「バートランド・ラッセルと論理学」p.18

表紙 発刊のことば 目次  p.1 p.2 p.3 p.4 p.5 p.6 p.7 p.8 p.9 p.10 p.11 p.12 p.13 p.14 p.15 p.16 p.17 p.18 p.19 p.20 p.21 p.22 p.23 p.24 p.25 p.26 p.27 p.28 p.29 p.30 p.31 p.32 p.33 p.34 p.35 p.36 p.37 p.38 p.39 p.40 p.41 p.42 p.43 p.44 p.45 p.46 p.47 p.48 p.49 奥付
(p.18) また「いかなるXもYでない」というのは「XであってYである」ようなものは何にもないということになりますから、
 xy=0
 また、「あるXはYである」というのは、「XであってYである」ようなものが、X・Yのクラスの中に、少くとも一つはあるという意味を表わしていますから、
 X・Y not= 0
 以上、簡単にのべたことは後でさらにくわしくふれますが、要するに今迄、普通の言語であらわしていたものを、数学で用いている数字、そして、数学で使ういろいろな記号などであらわすという、新しいアイデアを論理学の中に導入したと言えるのです。こうしたアイデアは我々の日常使っている文章にも当然あてはめることが出来るわけで、例えば「-X」というのは「Xでない」という表現にあたりますし、「X・Y」と書くと、「Xであり、そしてYである」つまりさきほどの「赤くてそして花である」という意味です。「・」は and にあたることになります。また「+」という記号を「あるいは」という意味をあらわすことにすれば「X+Y」は、「X、あるいはY」と言うふうになりますし、また(次のページに続く)