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バートランド・ラッセルに関するメルマガ - 第200号(2010/11/6)


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           ■ 目 次 ■

 (1)ラッセルの著書及び発言等からの引用
 (2)ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

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(1)ラッセルの著書や発言等からの引用(追加訂正などして再掲したものを含む)
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★改訳+HTML修正、あるいは部分訳だったものを全訳化

1)『ラッセル自伝』第1巻第3章「ケンブリッジ大学時代」から
 beginner/AB13-190.HTM
 
 ・・・。私はかつて、多くの人々に対し、その人が悲観論者であるかどうか明ら
かにするための試験問題を考案した。その質問とは、「もしあなたが、世界を破滅
させるだけの権力を持っているとしたら、あなたはそうしますか?」 私はこの問
題を、彼(ロバート・トレヴェリアン)の妻子のいる前で彼に出してみた。その時
の彼の答えはこうであった。「えっ!? 私の書斎を破壊するって? 絶対に否!」
 彼は常に新しい詩人を発見しては、その詩人の詩を声を張りあげて朗読したが、
いつも哀願するような様子で、「これは彼の最良の詩ではありません。」と言った。
ある日、彼がある新しい詩人のことを私に語り、そうしてその詩人の作品の一部を
朗読してきかせようと言った時、私はこう言った。「はい。でも、最良でない詩は
朗読しないでください。」 この一言で、彼は完全にまごついてしまい、そうして
その本を片付けた。・・・。
(I once devised a test question which I put to many people to discover
whether they were pessimists. The question was: 'If you had the power to
destroy the world, would you do so? I put the question to him in the
presence of his wife and child, and he replied: 'What? Destroy my library?
- Never!'
He was always discovering new poets and reading their poems out aloud, but
he always began deprecatingly: 'This is not one of his best poems.' Once
when he mentioned a new poet to me, and said he would like to read me some
of his things, I said: 'Yes, but don't read me a poem which is not one of
his best.' This stumped him completely, and he put the volume away.)

2)『ラッセル自伝』第1巻第3章「ケンブリッジ大学時代」から
 beginner/AB13-200.HTM
 
 トリニティ・コレッジ(ケンブリッジ大学)教師たちは、私がケンブリッジ(大
学)の生活を楽しむのにほとんど寄与しなかった。(参考:ケンブリッジの学寮に
ついて)トリニティ・コレッジの学寮長は、サッカレー(William Makepeace
Thackeray, 1811~1863)の著「(英国の)俗物たち」からまっすぐこの世に生まれ
出たような人物であった。彼はたいてい、「ちょうど30年前の今日・・・」とかあ
るいは「小ピット(注:William Pitt, 1759~1806。ケンブリッジ大学卒で、24歳で
首相となる。英国の大政治家である大ビット(名前は同じく William Pitt)の息
子)が百年前の今日、何をやろうとしていたか、ひょっとして、諸君は記憶してお
られるだろうか」という言葉で、話し始めた。・・・。
(The dons contributed little to my enjoyment of Cambridge. The Master came
straight out of Thackeray's Book of Snobs. He generally began his remarks
with 'Just thirty years ago today ...' or with, 'Do you by any chance
remember what Mr Pitt was doing one hundred years ago today?', and ...)

★ラッセル「父親の影響」(アメリカン・エッセイ)
 hFATHER.HTM
 
 ・・・。第一級の名声を勝ちうるのは、オールラウンドの教育や幅広い興味によっ
てではない。感情と知性の両面における、精神力の集中と目標の限定が必要である。
すべての若者が同じ環境にあり、同一の基準を受けいれなければならない世界におい
ては、このような条件は容易に起こらない。傑出した人物を生み出すには多様性が必
要であり、画一的な教育は、平凡な大人を生むだす傾向がある。従って今後は、昔と
違い、個人的名声を得ることはより稀なものになるだろう。
(It is not by an all-round education or by catholicity of interests that
first-rate eminence is achieved: it is achieved by concentration and a
certain narrowness both emotional and intellectual. In a world where all
young people have the same environment, and the same standards presented
for their acceptance, this does not easily happen. Diversity is necessary
to distinction, and uniformity in education tends to produce mediocrity in
adult life. We must therefore expect that individual eminence will be rarer
in the future than it has been in the past.)

★ラッセル「子供は幸福であるべきか?」(アメリカン・エッセイ)
 CHILDHAP.HTM
 
 ・・・。同じ立場を主張するインテリたちも、明らかに心の底では同様の動機に
支配されているが、人目を引く言葉上の見せかけで、それらを隠しているだけであ
る。インテリたちはすべての偉大な業績はある種の不幸の産物であったと主張し、
子供の時期だけでなく青年期も幸福だと言われるサモア人のような人間は文明に何
一つ貢献してこなかったと指摘するだろう。我々はもしも皆幸福であったならば、
たちまち'豚の境遇'に落ちこんでしまうだろうとインテリたちは言うが、どうやら
彼の考えによれば、豚は'知的な人間'よりも、はるかに多い幸福を楽しんでいるら
しい。
 私個人としては、大事業達成の処方箋が、彼らが言うように単純なものだとは信
じられない。子供を不幸にすることは幸福にすることよりも容易であり、そのため
のいろいろな方法がこれまでも何代もの世代の'教育専門家'によって完璧に行われ
てきた。しかしそれで全てうまく行くのであれば、天才は雨後のタケノコ(←黒い
ちご)のように生まれたはずである。また、ドゥーザボーイズ・ホール(注:
Dotheboys Hall/ディゲンズの小説 Nicholas Nickleby にでてくる体罰が常習の
寄宿学校)の卒業生たちが学問芸術の分野で世間をリードしているはずである。
(The highbrow who maintains the same position is no doubt dominated by the
same motives at bottom but conceals them , behind a more imposing verbal
facade. He will allege that all great achievement has been the outcome of
some kind of misery, and he will point out that people like the Samoans,
who are said to be happy in childhood and even in adolescence, have never
contributed anything to civilisation. If we were all happy, he tells us,
we should rapidly sink into the condition of pigs, who, in his opinion,
enjoy much more happiness than falls to the lot of intelligent people.
For my part, I cannot believe that the recipe for great achievement is as
simple as all that. To make children unhappy is even easier than to make
them happy, and the methods have been carried to great perfection by many
generations of educational experts. If that were all, geniuses ought to be
as common as blackberries. The alumni of Dotheboys Hall ought to have led
the world in science and art.)

★(ラッセル往復書簡)「大馬鹿者」
 beginner/DBR5-17.HTM
 (受信)・・・。あなたがいかなる種類の'大馬鹿者'(白痴)であるかは、あな
     たのいわゆる哲学なるものを読んでみれば、容易にわかります。
      先日私はスイスのドイツ系の新聞で少し読みましたが、その中であな
     たは明らかにこう言っています。
     「我々は現在、これから3つの革命(大きな変革)を前にしている時代に
      生きている。即ち、青年の老人に対する戦い、貧しき者の富める者に
      対する戦い、それから、愚か者の知性ある者に対する戦いである。・
       ・・。」
      あなたの'知性'を悩ましているこの3つの革命というのは、--これ
     まで何世紀もの間、全ての世代を特徴づけてきたものでしたけれども-
     -、断じて我々の前途に横たわってなんかいません。
      何々卿といわれるような貴族でも、哲学者でもない、一介のスイス人
     より。

 (返信・1958年8月30日付)
     拝 復
      あなたが考えたことのない種類の'大馬鹿者'があります。それは、新
     聞で読んだものをそのまま信じる'大馬鹿者'です。私はあなたが引用し
     たような記事は一度も書いたことも、言ったこともありません。
      敬 具
      バートランド・ラッセル
    (There is a kind of idiot that you have not considered. It is the
     kind which believes what it reads in the newspapers. I never made
     any such statement as you quote.(From: Dear Bertrand Russell; a
     selection of his correspondence with the general public, 1950 -
     1968. Allen & Unwin, 1969.)
     
★ラッセル「もっと豊かな、もっと智慧にめぐまれた知力を(1967年講演/牧野力(訳))」
 『英語研究』1967年8月号,pp.24-26 & 9月号,pp.36-38.
  cool/WISER-I.HTM
   引用省略
  
★★★ ラッセル肉声 ★★★
 英国BBC第1回リース記念講演(Authority and the Individual, 1948)
 第1回講演 https://www.youtube.com/watch?v=kkAGjQK9sqo
 第2回講演 https://www.youtube.com/watch?v=GD-eUYtPQDQ
 第3回講演 https://www.youtube.com/watch?v=qmVawz3KoAk
 第4回講演 https://www.youtube.com/watch?v=RgRqX-6kYRY
 第5回講演 https://www.youtube.com/watch?v=kkAGjQK9sqo
 第6回講演 https://www.youtube.com/watch?v=CSZb4GlfHnQ

●YouTubeで視聴可能なラッセルの肉声一覧
 cool/YouTube-BR.htm


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(2)ラッセルに関する記述や発言
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★R落穂拾い
 beginner/ochibo-2010.htm
 
『内田魯庵全集・補巻1:随筆・評論V』(ゆまに書房,1987年5月刊)
* 内田魯庵(うちだ ・ろあん、1868年-1929年6月29日):明治期の評論家、翻訳家、
 小説家。多磨霊園に墓がある。

(pp.463-473)「時代錯誤的日本」
* このエッセイは博文館刊行の『太陽』大正10(1921年)年1月号に掲載されたもの。

(p.463~ )
1.ラッセルと支那及び日本

 支那ではラッセルを招待した。其序にラッセルが日本へも来るという噂が立った時、
文部省だか大学だかの或る高官は、ラッセルの思想は日本の国体を容れないから縦令
(たとえ)来ても公開的講演を許す事は出来まい、或は上陸をすらも許されないかも
知れないと言ったそうだ。
 が、ラッセルは民間某々氏(注:改造社社長・山本実彦)の懇囑で愈々来春(1921
年)は日本へ来て東京及び京阪各地で何十回とかの講演をする事に定ったそうだ。
(注:結局慶應義塾大学大講堂での講演だけとなった。)我が官憲はドウいう風にラ
ッセルを待遇するだろうか。マサカ上陸を禁止する事もあるまいが、其講演をドウい
ふ風に取締るだろうか。堺、大杉等の社会主義者を取締ると同様に初めから公開不許
可とするだろうか、或は許可しても高圧的に発言するかしない中に中止解散を命ずる
だろうか。マサカ制服や角袖の警察官を何百人も派してクーデターを行うような騒ぎ
も外国人に対してやり憎かろうと思うが、ドウいう風に取締るだろう? 
 ・・・ 以下、略 ・・・。

(p.474~ )喫煙語
 ラッセルは夫人に非ざる一女性を同件しているそうだ。或人の問に答へて、法律と
か結婚とかいう無用の手続きを除いては完全なる我が妻であると明言したそうだ。ゴ
リキーが真実の細君を故国に残して女優を同行したのと違って、法律の手続きだけを
履まない夫人だから、内縁の妻というものを認めている日本では格別不思議に思はな
い筈だが、雷鳥(注:平塚雷鳥のころ)の同棲を問題とした我が道学先生輩はドウ考
えるだろう。

★Index to russell; The Journal of Bertrand Russell Studies 最新号目次
 R4A3-NEW.HTM
  引用省略
  
★(某ブログから)
(1)「語学に精通したラッセルと哲学に見る思考の解放性」
   https://d.hatena.ne.jp/cosmo_sophy/20041223
  
(2)「バートランド・ラッセルのパイプ」
   https://blogs.yahoo.co.jp/tenzen194/26070081.html

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(3)読者コーナー(ご意見・感想・要望・その他なんでも)
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●投稿をいただければ、ここに掲載します。
  (実名でも仮名でもどちらでもけっこうです。)

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編集後記
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 今回は200号記念号です。今回の目玉は、ラッセルが1948年に英国BBCを
通じて講演した第1回リース・レクチャーです。YouTube に全6回分全て掲載されて
いますのでご活用ください。現在のところ、一般に利用できる(公開?されている)
一番長いラッセルの肉声です。
 また、200号記念ということで、HTML版も作ってみました。

 なお、向こう2週間くらい、都合により、ラッセルのポータルサイトの更新は断続
的になると思われます。従って、次号は2週間後になるかもしれません。(松下彰良)

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■編集・発行:(松下彰良・まつしたあきよし)
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