「大馬鹿者」(『拝啓バートランド・ラッセル様』より)
* 出典:R.カスリルズ、B.フェインベルグ(編著),日高一輝(訳)(一部松下修正)『拝啓バートランド・ラッセル様_市民との往復書簡集
ラッセル英単語・熟語1500 |
先日私はスイスのドイツ語新聞で少し読みましたが、その中であなたは明らかに次のように言っています。
「我々は現在、3つの革命(大変革)前途を前にしている時代に生きている。即ち、青年の老人に対する戦い、貧しさの豊かさに対する戦い、それから、愚か者の知性に対する戦いである。・・・。」あなたの'知性'を悩ましているこの3つの革命というのは、--これまで何世紀もの間、全ての世代を特徴づけてきたものでしたけれども--、断じて我々の前途に横たわってなんかいません。
何々卿といわれるような貴族でも、哲学者でもない、一介のスイス人より。 <
ラッセルからの返事(1958年8月30日付)
拝復あなたが考えたことのない種類の大馬鹿があります。それは、新聞で読んだものをそのまま信じる大馬鹿です。私はあなたが引用したような記事は一度も書いたことも言ったこともありません。
敬 具
バートランド・ラッセル
'What kind of an Idiot you are can easily be seen by reading some of your so-called philosophy. The other day I read something in a Swiss-German Newspaper you evidently have said: "We are now living in a period with three revolutions ahead of us: the fight of youth against old age; the fight of poorness against richness and the fight of the fool against intelligency ..."
Dear Sir, (August 30, 1958)
There is a kind of idiot that you have not considered. It is the kind which believes what it reads in the newspapers. I never made any such statement as you quote.
Yours truly
Bertrand Russell
Source: Dear Bertrand Russell, 1969
More info.: https://russell-j.com/beginner/DBR2-25.HTM