バートランド・ラッセル 私の哲学の発展(松下彰良 訳)
* 原著:My Philosophical Development, by Bertrand Russelll (London; George Allen & Unwin, 1959)総目次
第11章 知識の理論 イントロ索引
- 1914年8月から1917年の終りまで、私は自分が戦争に反対したことから生じた諸問題に没頭していたが、1918年始めには、平和主義者として有益にできる仕事はこれ以上(まったく)ないと信ずるようになっていた。
- この研究(知識論の研究)の当初、私は定まった確信は何ももっておらず、ただいくつかの格率と先入見とを持っていたにすぎない。
- 第二(の先入見/先入観)。行動主義の方法を支持する(in favor of 賛成する)先入見に加えて、可能な場合には常に物理学の言葉(用語)で説明することを支持する、もうひとつの先入見があった。
- 第三に、「経験」という概念は、特に観念論哲学において過大に強調されてきたが、多くの形の経験論においても同様に過大に強調されてきた、と感じている。
- 第四(の先入見):これまで(先入見だと)考えてきたものとは反対の方向に働く(作用する)もうひとつ別の先入見(prejudice)も私は持っていた。
- 五番目の先入見:1918年に私が気づいたことのひとつは、それまで「意味」の問題に、また一般的に言って、言語の問題に、自分が十分な注意を払っていなかった、ということであった。
- 第六番目(の先入見):これは(前述のことは)、私が当初持っていた先入見の最後のもの- これは私の思索においておそらく最も重要なものであり続けたもの- をもたらす。それは方法に関係しているものである。
- 自分の哲学的探究の経験のかぎりでは(自分の経験によると),哲学的探究は、完全に確実だと自分は感じているが何が確実なのかはっきり言えない、あの奇妙かつ満たされない心の状態から出発する。
第12章