幼児期における’色’の学習 ’What colour is that ?’

【 バートランド・ラッセル(Bertrand Russell)の言葉 r366-c187】

アガサおばさんは,ペンブローク・ロッジに住んでいた大人のなかで一番若かった。事実,彼女は私より19歳年上であるにすぎず,私がペンブローク・ロッジに(1976年2月,ラッセル3歳9ケ月の時に)来たとき,彼女は22歳であった。(訳注:それだけ年寄りに囲まれて暮らしていたという wit) 私がペンブローク・ロッジに来た最初の数年,彼女は私を教育しようとして,さまざまの試みをしたが,大きな成果はあげられなかった。彼女は色鮮やかなボールを3つ-赤色のもの1つ,黄色のもの1つ,青色のもの1つ-持っていた。彼女は赤色のボールを持ち上げ,「何色をしていますか?」と私によく聞いたものである。私は「黄色!」といつも答えた。すると彼女は,そのボールをカナリアのすぐ近くにもっていき,「このボール(の色)はカナリアと同じ色だと思いますか?」と言った。私は「いいえ」といつも答えたが,私はカナリアの色は黄色だということを知らなかったので,叔母のこの方法もたいして役立たなかった。そのうち私も色について理解するようになったにちがいないが,私は(当時)全く色のことはわからなかったということだけしか記憶に残っていない。

My Aunt Agatha was the youngest of the grown-up people at Pembroke Lodge. She was, in fact, only nineteen years older than I was, so when I came there she was twenty-two. During my first years at Pembroke Lodge, she made various attempts to educate me, but without much success. She had three brightly coloured balls, one red, one yellow, and one blue. She would hold up the red ball and say : ‘What colour is that ?’ and I would say, ‘Yellow’. She would then hold it against her canary and say : ‘Do you think that it is the same colour as the canary ?’ I would say, ‘No’, but as I did not know the canary was yellow it did not help much. I suppose I must have learned the colours in time, but I can only remember not knowing
them.
出典: The Autobiography of Bertrand Russell, v.1,chap.1, 1967]
詳細情報: https://russell-j.com/beginner/AB11-100.HTM#r366-c187
PEMBK-LD
(Photo: Pembroke Lodge)

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