お気に入りの賛美歌 my favourite hymn

【 バートランド・ラッセル(Bertrand Russell)の言葉 r366-c172】

 事実私は,(少年時代)異常と言えるほど,’罪の意識’にとらわれがちであった。お気に入りの賛美歌は何かと問われたら,私はこう答えた。
 「この世に倦(う)み,罪を背負いて」
  ある時,家族祈祷の時,祖母がルカ伝の’改心した放蕩息子’の寓話を読みあげたので,その後私は祖母に次のように言った。

 「僕は,おばあさんがどうしてそれを読んだかわかっているよ。僕が水差しを壊したからでしょう。」

 後年,祖母はよくその逸話を楽しそうに語った。しかし自分自身の子供たちに悲劇的な結果を生み出した(彼女の話の)’不健全さ’に対して責任があるということに,祖母は気づいていなかった。(注:祖母の実子の独りが精神病院に入れられた。)

I was, in fact, (in childhood) unusually prone to a sense of sin. When asked what was my favourite hymn, I answered: ‘Weary of earth and laden with my sin’. On one occasion when my grandmother read the parable of the Prodigal Son at family prayers, I said to her afterwards: ‘I know why you read that because I broke my jug.’ She used to relate the anecdote in after years with amusement, not realizing that she was responsible for a morbidness which had produced tragic results in her own children.
 出典: The Autobiography of Bertrand Russell, v.1, chap. 1, 1967]
 詳細情報: http://russell-j.com/beginner/AB11-160A.HTM#r366-c172

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