隷属の見返りに安心感を与える to give safety in return for servitude

【 バートランド・ラッセル(Bertrand Russell)の言葉 r366-c165】

あらゆる種類の知的体系--(たとえば)キリスト教,社会主義,愛国主義など--は,孤児院のように,隷属の見返りに’安心感’を与えようと待ち構えている。自由な精神生活は,何らかの信条(教義)に包まれた生活のように,暖かく,快適で,愛想のよいものではない。外で冬の嵐が吹きすさんでいる間は,信条のみが,ヌクヌクとした炉端にいる感情を与えてくれる。
このことは,私たちに,よい生活のためにはどの程度まで集団から解放されているべきかというやや難しい問題をもたらす。

All sorts of intellectual systems – Christianity, Socialism, Patriotism, etc. – are ready, like orphan asylums, to give safety in return for servitude. A free mental life cannot be as warm and
comfortable and sociable as a life enveloped in a creed: only a creed can give the feeling of a cosy fireside while the winter storms are raging without.
This brings us to a somewhat difficult question: to what extent should the good life be emancipated from the herd?
出典:On Education, especially in early childhood, 1926, chap. 2: The Aims of Education
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE02-210.HTM#r366-c165

[寸言]
世の中は分からないことばかりであり,不安に満ちている。そのような環境では安住できないので,人は「軽信」に陥り易い。人によって「軽信の対象」は種々様々である。「自由人」とは金持ちで気ままな生活のできる人を言うのではなく,そのような軽信に陥らない,「精神の自由」を持った人間を指す。しかし,ラッセルが言うように,「自由な精神生活は,何らかの信条(教義)に包まれた生活のように,暖かく,快適で,愛想のよいものではない。」
あなたはどちらを選ぶのか!?
DOKUSH56

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