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バートランド・ラッセル 教育論 第二部_性格の教育_第8章_正直(誠実)であること(松下 訳) - Bertrand Russell On Education, 1926

前ページ(Back)  次ページ(Forward) Chap. 8 Index Contents(目次)

第二部_性格の教育_第8章_正直(誠実)であること - 子供の質問には極力答える


ラッセルの言葉366
 抑圧されていない(押さえつけられていない)子供は,無数の質問をするが,その中には知的なものもあれば,その正反対のものもある。こういった質問は,しばしばうんざりさせられたり,ときには不都合なもの(答えにくいあるいは答えたくない)であったりする。しかし,そういう質問には,あなたの力の及ぶかぎり,正直(誠実)に答えてあげなければならない。子供が宗教に関する質問をしたときには,たとえ異なった考えを持つ他のおとなと(意見が)対立するとしても,あなたが考えていることを正確に話して聞かせるのがよい。子供が死について尋ねたならば,答えてあげよう。あなたが悪い人間か,馬鹿であることをあきらかにしてやろうという意図をもった質問にも,答えてあげよう。子供が戦争とか,死刑(capital punishment)とかについて尋ねたときにも,答えてあげよう。「(これは)まだお前にはわからない」と言って,言い逃れをしてはならない。ただし,電灯はどのようにして作るのかといった,難しい科学上の質問は別である。そんな場合も,子供がいま知っているよりももっと多くのことを学ぶとすぐに,質問を蓄積しておけば,その答え(を知ること)が喜びとなる,ということをはっきりと言ってあげるとよい。子供に理解できるよりも少なめに教えるよりは,やや多めに教えるほうがよい。子供に理解できない部分は,彼の好奇心と知的な野心を刺激するだろう。

Pt.2 Education of Character - Chap. 8 Truthfulness

> Children who are not suppressed ask innumerable questions, some intelligent, others quite the reverse. These questions are often wearisome, and sometimes inconvenient. But they must be answered truthfully, to the best of your ability. If the child asks you a question connected with religion, say exactly what you think, even if you contradict some other grown-up person who thinks differently. If he asks you about death, answer him. If he asks you questions designed to show that you are wicked or foolish, answer him. If he asks you about war, or capital punishment, answer him. Do not put him off with "you can't understand that yet ", except in difficult scientific matters, such as how electric light is made. And even then make it clear that the answer is a pleasure in store for him, as soon as he has learnt rather more than he now knows. Tell him rather more than he can understand, not rather less ; the part he fails to understand will stimulate his curiosity and his intellectual ambition.

(掲載日:2015.04.19/更新日: )