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バートランド・ラッセル自伝 第1巻第3章 - 哲学と好奇心(松下彰良 訳)- The Autobiography of Bertrand Russell, v.1

前ページ 次ページ 第1巻 第3章(ケンブリッジ大学時代)累積版 総目次
*チューター(tutor)について その1 


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この頃までに,私は,初めてケンブリッジ大学に登校した時そうであったような,'内気で堅苦しい'人間ではまったくなくなっていた。大学の寮に住むようになる2,3ケ月前,(私が住むことになる)部屋のことで指導教員(チューター)に会うため大学にいき,控え室で待っている間に,'グランタ'(Granta:学部学生用の新聞)のぺージをめくっていた時のことを記憶している。それは,ケンブリッジ大学の 'May Week'(松下注:ケンブリッジ大学の学年末試験が終った後の一定期間をいう。昔は5月であったが,試験が終る時期が、少しずつ遅くなり,いつのまにか6月になってしまったらしい)(の最中)であり,この週の間は,学生たちの考え(people's thoughts)が勉学に向いていないということをこの新聞を読んで知り,大変ショックを受けた。しかし4年次になる頃までには陽気かつ(少し)'軽々しく'なっていた。汎神論を読んでいた時,私は,自分は神であると友人たちに告げた。(すると)彼らは私の左右両側に蝋燭(ロウソク)を置き,礼拝行為のまねをした。哲学は総じて大変面白いものであると,私には思われた。そして,偉大な哲学者たちが自らの想像力に提供している(差し出している)好奇心をそそる世界の理解の仕方を,私は楽しんだ。
* From Free animation library
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By this time, I had quite ceased to be the shy prig that I was when I first went to Cambridge. I remember a few months before I came into residence, going to see my tutor about rooms, and while I waited in the ante-room I turned over the pages of the Granta (the undergraduate newspaper). It was May Week, and I was shocked to read in the paper that during this week people's thoughts were not devoted to work. But by my fourth year I had become gay and flippant. Having been reading pantheism, I announced to my friends that I was God. They placed candles on each side of me and proceeded to acts of mock worship. Philosophy altogether seemed to me great fun, and I enjoyed the curious ways of conceiving the world that the great philosophers offer to the imagination.