私は、丘と森と、四方の景色が見渡せる塔の中の私の部屋を、とても愛していた。私はテレグラフ・ハウスを40年以上も前から知っており、兄が所有する時代に徐々に成長していくのを見守った。テレグラフ・ハウスは連続性というものを象徴していた。私の人生には、仕事を除いては、自分が望んだほどの連続性はほとんどなかった。
I loved the downs and the woods and my tower room with its views in all four directions. I had known the place ( = Telegraph House) for forty years or more, and had watched it grow in my brother's day. It represented continuity, of which, apart from work, my life has had far less than I could have wished.
Source: Bertrand Russell: The Autobiography of Bertrand Russell, v.2 chap. 5: Later Years of Telegraph House, 1968
More info.: https://russell-j.com/beginner/AB25-070.HTM
<寸言>
ラッセルは1921年にドーラ・ブラックと再婚し、二人の子供をもうけました。そうして、1927年(ラッセル55歳の時)にドーラとともに、理想的な幼児教育をめざして、兄の家(別荘)である Telegraph House を借りて、Beacon Hill School という幼児学校を始めました(自分達の子供と同じ年頃の約20人ほどを生徒として集めています)。
添付写真はその Telegraph House の塔の部分です。この最上階が書斎になっており、美しい景色を眺めることができました。その眺望について、ラッセルは自伝で次のように描写しています。
「東と南と西に向かっては広大な眺めが得られた。ある方角にはサセックス森林地帯(Sussex Weald)を越えてリース・ヒル(Leith Hill)まで眺めわたすことができ,また別の方角にはワイト島(Isle of Wight )やサウサンプトン(港)に近づいてくる(大西洋航路の)定期船を見ることができた。」(There were enormous views to East and South and West; in one direction one saw over the Sussex Weald to Leith Hill, in another one saw the Isle of Wight and the liners approaching Southampton. )
https://russell-j.com/beginner/AB24-050.HTM
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