バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )


 そうして,当然のこと,新聞記者や時事解説者達は,私は耄碌(もうろく)していると言って、私を個人的に取り扱いがちである。特に米国の記者達がそうである。というのは,ここ数年間,私が米国の暴力の増加を憂い,最近私が執筆したもののほとんどにおいて,米国政府の好戦的政策に激しく反対してきたからである。このようにして私の影響力を減らそうとする遣り方は,私の友人達を驚かせ,怒らせるとともに,私を公然と屈辱するものである。しかし,私と見解を異にする人々の立場からすれば,おそらくそれは,彼らの唯一の反駁(手段)だろう。いずれにしても,たとえそうした非難が当たっているとしたら,(=私が耄碌しているなら)どうして労を惜しまず,私(=老人)の「たわごと'」ついて言及しようとするのか,理解できない。


And, of course, journalists and commentators are apt to deal with me personally by saying that I am senile. The joulnalists in the United States, especially, do this since for years I have been worrying over the increase of violence in that country and most of my recent writing has been very vehemently against their Government's warlike policies. This method of diminishing my effectiveness alarms and angers my friends and affronts me, but, from the point of these who differ with me, I dare say it is about their only retort. In any case, if the charge is true; I fail to see why anyone troubles to remark on my babblings.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3 chap. 4
 More info.: https://russell-j.com/beginner/AB34-150.HTM

<寸言>
 ある年齢以上になり、自分に自信がもてるようになると、自分の「常識」や「先入観」をあまり疑わなくなります。そうして、自分が理解できなかったり共感できなかったりすると、相手を正当に評価できず、決めつけたり、否定したり、無視したりしてしまいます。
 特にラッセルの平和運動に関しては、「ラッセルも老化には勝てなかった」とか、「ラッセルの周りにいる人達にラッセルはうまいように利用されている」と決めつけたり、思ったりする人も出てきました。そのような報道やコメントが、英米だけでなく、一時期、日本でもある程度なされました。
 一つだけ、日本の保守層に人気があった福田恆存氏(故人)によるラッセル批判をご紹介しておきます。下記にありますので、興味のある方はお読みください。
 「現代の悪魔-ラッセルの反核運動について」他
https://russell-j.com/cool/ad071117.htm

 
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