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私は13歳で、9年次(中3?)のアメリカ人の学生です。 ・・・。教育の目的は何であるべきか、あなたのお考えを簡潔に述べていただければ幸いです(意訳)。
(ラッセルからの返事・1962年3月26日付)
拝復 マーク・オアフィンガー様,
私は、教育の主な目的は、これまで当たり前だと思われてきたことについて問いを発し疑問を投げかけるように、若者を勇気づけることであるべきだ、と信じています。重要なのは 精神の独立(自立)です。教育において善くないのは、これまで受け入れられきた見解や権力者に対して、学生が異議を申し立てることを認めようとしない態度です。新しい考え方/思想が現れるためには、若者がその時代の愚かな考えに根本的に同意しないという毅然たる勇気を持っている必要があります。尊敬すべき人間や基本的であると考えられている考え方のほとんどは、人間が事を成し遂げるための障害です。・・・
敬 具
バートランド・ラッセル。
'I am an American Student, 13 years old and in the 9th grade. ... and because you have been such a courageous and creative man, perhaps you can offer a brief statement on what you think should be the aim of education. ...'
Dear Mark Orfinger,
Thank you for your admirable letter which I read with great interest. ...
I believe that the main object of educaion should be to encourage the young to question and to doubt those things which have been taken for granted. What is important is independence of mind. What is bad in education is the unwillingness to permit students to challenge those views which are accepted and those people who are in power. It is necessary for new ideas to emerge, that young people have every encouragement to fundamentally disagree with the stupidities of their day. Most people who are respectable, and most ideas which are considered to be fundamental are barriers to human achievement. ...
With good wishes,
Yours sincerely
Bertrand Russell
Source: Dear Bertrand Russell, 1969
More info.: https://russell-j.com/beginner/DBR3-04.HTM
<寸言>
ラッセルによる教育に関する著作や発言は膨大にあります。特に一般読者に読まれているのは1926年に出された On Ecucation , especillay in early childhood です。100年近く経過した現在でも、世界中で読まれています(岩波文庫にも入っています)。この本は幼児教育を中心に述べていますが、1932年に出された Education and the Social Order においては、教育に影響を与える様々な要因との関連で、幅広く論じています。
13歳の生徒からの質問に対して、通常であれば、自分の著書を読んでくださいということで済ませてしまいがちですが、手を抜かないで相手にあわせて応えているのはさすがです。
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell